色柄付き発泡食品トレーの水平リサイクルを実現する設備が完成:リサイクルニュース
DICは、四日市工場(三重県四日市市)で色柄付き発泡食品トレーの原料であるポリスチレン(PS)の溶解分離リサイクル設備が2024年11月5日に完成したと発表した。
DICは2024年11月6日、四日市工場(三重県四日市市)で色柄付き発泡食品トレーの原料であるポリスチレン(PS)の溶解分離リサイクル設備が同月5日に完成したと発表した。
ポリスチレンの溶解分離リサイクル設備竣工式(左から、DIC 代表取締役社長執行役員の池田尚志氏、エフピコ 代表取締役会長の佐藤守正氏、三重県四日市市長の森智広氏、石原エンジニアリングパートナーズ 代表取締役社長の山下育生氏)[クリックで拡大] 出所:DIC
同社は、PSの完全循環型リサイクルに向けた取り組みで協業しているエフピコとともに、業界で初めて(同社調べ)マテリアルリサイクルによる色柄付き食品トレーの水平リサイクルを行う。
エフピコグループは、スーパーマーケットなどに設置された全国約1万1000カ所(2024年9月時点)の回収拠点から使用済み食品トレーなどを回収し再利用している。
食品トレーの中には白色と色柄付きの発泡トレーがある。一般家庭から排出される使用済みの白色発泡トレーは、再び食品トレーにリサイクルされている。一方、色柄付き発泡トレーは、リサイクルの工程で再生ペレットが黒色になってしまう。そのため、食品トレーにリサイクルされる際には用途が限られる他、ハンガーなど別の日用雑貨品に再生利用されていた。
そこで、DICは2022年8月に溶解分離リサイクル技術(Dic法、Deinking chemical process)を開発し、PSの着色成分を溶解/分離させ透明PSに再生することで、トレーからトレーへの水平リサイクルを実現した。今回の溶解分離リサイクル設備ではエフピコが回収する色柄付き発泡トレーを原料として、年間約1万トンのリサイクルPSを供給できる体制を整備する。
今後両社は、同設備を用いたマテリアルリサイクルでリサイクル量を増やす。並行して、2026年にはケミカルリサイクルの設備稼働を目標とした技術開発を進め、両技術により完全循環型リサイクルの実現を目指す。
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