JC-STARに適合する省電力でセキュアなIoT機器向けの小型組み込みCPUモジュール:組み込み開発ニュース
アットマークテクノは、組み込みプラットフォーム「Armadillo」シリーズの第1弾として、CPUモジュール型の「Armadillo-900」を開発した。JC-STARの★1に適合するセキュアなIoT機器を短期間で開発できる。
アットマークテクノは2024年10月16日、組み込みプラットフォーム「Armadillo(アルマジロ)」シリーズの第1一弾として、CPUモジュール型の「Armadillo-900」を発表した。発売は2025年春を予定しており、サンプル価格は1万6500円(税込み)だ。
Armadillo-900は、NXPセミコンダクターズ製SoC「i.MX 8ULP」を搭載した31mm角の組み込みCPUモジュールだ。SoC、メモリ、ストレージ、電源回路などIoT(モノのインターネット)機器としての主要な機能を集積しているため、SoC周りのハードウェア設計が不要となる。Shutdown、Deep Sleep、Sleep、Activeの4つの動作モードを組み合わせた間欠動作が可能で、バッテリーを搭載したモバイル端末に適用できる。
また、Linuxベースの「Armadillo Base OS(ABOS)」を搭載しており、より省電力でセキュアなIoT機器を短期間で開発できる。ABOSはコンテナ型のセキュアOSで、セキュリティ要件適合評価およびラベリング制度「JC-STAR」の★1に適合しやすい構造になっている。そのため、IoT機器の遠隔監視やソフトウェアのOTAアップデートなどを簡単に実装できる。
Armadillo-900が搭載するi.MX 8ULPは、「Arm Cortex-A35」や「Arm Cortex-M33」など複数の異なるタイプのCPUコアを備える。Arm Cortex-A35で動作するLinuxアプリケーションでは通信機能やGUIを、Arm Cortex-M33上で動作するFreeRTOSアプリケーションではアナログ信号の計測などを処理できるため、多様なアプリケーションに柔軟に対応する。
関連記事
- IPAがIoT製品の「セキュリティ要件適合評価及びラベリング制度」を開始
情報処理推進機構(IPA)は、IoT製品のセキュリティ適合性評価制度「セキュリティ要件適合評価及びラベリング制度」を2025年3月から開始する。セキュリティ基準を満たすIoT製品に適合ラベルを付与する制度だ。 - IoTデバイス運用管理クラウドサービスに0円プランを追加、月額100円プランも
アットマークテクノは、IoTデバイス運用管理クラウドサービス「Armadillo Twin」に、0円と100円の低価格プラン2種類を追加した。利用したい機能に応じてプランを切り替えられるため、トータルコストを抑えられる。 - バッテリーレス漏水センサーを用いたIoT開発キットを販売開始
アットマークテクノ、エイブリックおよびソラコムは、漏水検知IoT開発キットを共同開発した。エイブリックの無線式「バッテリーレス漏水センサー」とアットマークテクノの「Armadillo-IoTゲートウェイ A6E」をセットにしている。 - IoT機器プラットフォームにNode-REDコンテナを追加
アットマークテクノは、IoT機器プラットフォーム「Armadillo」に「Node-REDコンテナ」の提供を開始した。他にも、目的に応じたサンプルコンテナをWebツールで簡単にインストールできる。 - GUI付き産業機器の開発を容易にする、エッジAI処理向けNPU搭載CPUボード
アットマークテクノは、エッジAI処理向けのNPUを搭載したCPUボード「Armadillo-X2」を開発した。クロスプラットフォームのソフトウェア開発環境「Flutter」に対応し、GUI付き産業機器の開発を支援する。 - 「Armadillo-IoT」の省電力モデルが進化、I/O機能強化しコンテナ活用も
アットマークテクノは、IoTゲートウェイ「Armadillo-IoTシリーズ」の最新製品となる「Armadillo-IoT A6E」を発表した。省電力を特徴とする「Armadillo-IoT A6」をベースに外部接続インタフェースを強化するとともに、IoT機器向けのLinux OS「Armadillo Base OS」を搭載して、コンテナ上でのアプリケーション動作や差分アップデートなどに対応した。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.