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最大造形サイズがForm 4の約5倍、満を持して登場した旗艦3Dプリンタ「Form 4L」3Dプリンタニュース(2/2 ページ)

Formlabsは、プロフェッショナル向け光造形方式3Dプリンタの大型造形対応モデル「Form 4L」を発表。最新の3Dプリントエンジン「LFD」を採用し、最大造形サイズが「Form 4」と比べて4.6倍にスケールアップしている。

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課題のシームラインも解消、「Form 4」の高速/高品質をそのまま継承

 LFSを実現するバックライトユニット、ライトプロセシングユニット 4(LPU 4)、リリーステクスチャ、フレキシブルフィルムレジンタンク、インテリジェント制御システム、レジン自動供給システムの構成はForm 4と同様だ。サイズアップに伴い、バックライトユニットのLEDの数が増えている他、高精細LCDのピクセルサイズが50μmから46μmになるなど一部仕様が変更されている。その他、庫内カメラの向きが内向きに変更され、室内や作業者が映り込まないようプライバシーの確保が図られている。

基本的な仕様は「Form 4」と同様ビルドプラットフォーム(標準)内向きに変更された庫内カメラ 基本的な仕様は「Form 4」と同様。写真中央はビルドプラットフォーム(標準)、右は内向きの角度に変更された庫内カメラ[クリックで拡大]

 前モデルであるForm 3Lの最大造形サイズは335×200×300mmで、Form 4Lの最大造形サイズ(353×196×350mm)は、これまでラインアップしてきた同社3Dプリンタの中で最大サイズを誇る。「造形サイズが大きくなると、精度が低下するのではないかと思われるかもしれないが、Form 4LはForm 4で実現した高品質な造形をそのまま継承しており、寸法公差を諦めることなく、常にぴったりとフィットするアセンブリを製作できる」(同社)。その他、LFSでは大型の造形物にシーム(つなぎ目)ラインが発生してしまうケースもあったが、LFDを採用したForm 4Lではそれが解消されているとのことだ。

「Form 4L」の最大造形サイズは、Formlabsの3Dプリンタの中で最大サイズを誇る
「Form 4L」の最大造形サイズは、Formlabsの3Dプリンタの中で最大サイズを誇る[クリックで拡大] 出所:Formlabs
「Form 3L」の大型造形で課題となることがあったシームライン
「Form 3L」の大型造形で課題となることがあったシームライン(赤色矢印の部分に見える線)[クリックで拡大]
レジンカートリッジは「Form 4」と共通で、「Form 4L」は同時に2本セットできる
レジンカートリッジは「Form 4」と共通で、「Form 4L」は同時に2本セットできる[クリックで拡大]

 Form 4とForm 4Lで共通使用できるレジンは、スタンダードレジン(Grey V5、Clear V5、White V5、Black V5)、Fast Modelレジン、Precision Modelレジンの6種類。さらに、Form 4Lで17種類、Form 4BL(後述)で30種類(薬事法の関係で日本では使用できないレジンが一部含まれる)の高機能材料をサポートする。また、リリース時に使用可能な造形設定数は、Form 4Lで18種類、Form 4BLで27種類となっている。

 付属品としては、Form 4L用のレジンミキサー、レジンタンク、ビルドプラットフォーム(標準)、ビルドプラットフォーム Flex L(造形品の即時取り外し対応版/発売日未定)、レジンポンピングシステム(5リットルのレジンボトルから直接レジンを自動供給するポンプシステム)を取りそろえる。また、Form 4Lの発表と同時に、生体適合性レジンの使用が可能な医療用3Dプリンタの大型モデル「Form 4LB」、Form 4L用のフィニッシュキット(後処理キット一式)、自動洗浄ツール「Form Wash L(第2世代モデル)」のリリースもアナウンスされている。

 なお、Form 4と同じくレジンミキサーは独立式で、レジンタンクごとに用意することが推奨されている。レジンタンクの交換は平均的な使い方であれば1〜2年が目安となり、レイヤー換算で7万5000レイヤー程度まで使用できる。また、Form 3シリーズで設定されていた、侵食性の高い材料を使用した場合の耐用期間の制約もない。

「Form 4L」のレジンタンクとレジンミキサーについて
「Form 4L」のレジンタンクとレジンミキサーについて[クリックで拡大] 出所:Formlabs

SLSの新材料やオープンマテリアルモード対応なども発表

 さらに、同社は同年10月のリリースとして、SLS(粉末焼結積層造形)方式3Dプリンタ「Fuse」シリーズの新材料として「Nylon 12 White」と「Nylon 12 Tough」を発表した他、SLAに引き続き、SLS材料のオープンマテリアルモード(OMM)の対応を決定。OMMライセンスを購入することで、サードパーティー製の材料の使用が可能になるという。併せて、専用ソフトウェア「PreForm 3.41.0」の新機能として、ホロー化、ドレインホール作成、モデルゲージ作成、ラベリング、テクスチャ―などが追加されることも発表した(いずれの新機能も無料で使用可能)。

「Fuse」シリーズの新材料の造形サンプル
「Fuse」シリーズの新材料の造形サンプル。写真左下が「Nylon 12 White」で、右が「Nylon 12 Tough」[クリックで拡大]

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