最大造形サイズがForm 4の約5倍、満を持して登場した旗艦3Dプリンタ「Form 4L」:3Dプリンタニュース(1/2 ページ)
Formlabsは、プロフェッショナル向け光造形方式3Dプリンタの大型造形対応モデル「Form 4L」を発表。最新の3Dプリントエンジン「LFD」を採用し、最大造形サイズが「Form 4」と比べて4.6倍にスケールアップしている。
Formlabsは2024年10月15日(米国時間)、プロフェッショナル向けSLA(光造形)方式3Dプリンタの大型造形対応モデル「Form 4L」を発表した。同年4月に発表された「Form 4」と同じく、最新の3Dプリントエンジン「LFD(Low Force Display)」を採用しており、最大造形サイズがForm 4と比べて4.6倍(353×196×350mm)にスケールアップしている。
Form 4Lの本体価格は9999米ドル。ベーシックパッケージ(注1)の販売価格は日本円で約200万円を見込んでおり、注文分についてはリリースと同時に発送を予定(納期は最大4週間)しているという。
注1:ベーシックパッケージには、Form 4L本体の他、レジンタンク、レジンミキサー、ビルドプラットフォーム、フィニッシュキットなどが含まれる。また、購入時には別途、保守契約が必要となる。
「Form 4L」の特長は?
Form 4Lは、中〜大型サイズの樹脂部品の生産や小〜中型部品のバッチ生産、大型樹脂部品の少量生産といった、従来の製造方式では制約の多かった部品生産に対応できる3Dプリンタで、「3Dプリンタユーザーが求める造形速度、万能性、信頼性、使いやすさ、品質に加えて、手頃な価格帯が魅力だ。Formlabsにとってフラグシップモデルといえる製品に仕上がっている」(同社)。
Form 4Lの主なターゲット/アプリケーションは、コンシューマー製品における大型品の試作/検証およびフィット感/形状テスト、製造分野での成形型や治具、インベストメント鋳造用の原型製作、航空宇宙/自動車分野における大型試作品の製作やフィット感/形状テスト、治具製作、さらに医療分野におけるプロトタイピングや解剖モデルの製作などを想定する。
最大353×196×350mmの大型部品を、高精度/高品質に、安定して高速造形できる点がForm 4Lの最大の魅力といえる。前モデル「Form 3L」に採用されていた3Dプリントエンジン「LFS(Low Force Stereolithography)」の場合はレーザーを点で照射してレジンを硬化させていたが、Form 4から採用されているLFDは面(レイヤー単位)で一気に硬化できるため、造形スピードが格段に向上。「ほとんどの大型モデルの造形を6時間以内に完了できる」(同社)という。最大造形速度は、積層ピッチ200μmの設定で、スピード造形重視の「Fast Modelレジン(旧:Draftレジン)」を用いた場合、1時間当たり80mmとなる。
スクーターカバーの造形速度比較。「Form 3L」とGrey V4レジンの組み合わせでは完成まで約19時間かかっていたが、「Form 4L」とGrey V5レジンの組み合わせだと約5時間で造形が完了する(ともに積層ピッチは0.1mm)。さらに、Fast Modelレジン(積層ピッチ:0.2mm)であれば1.5時間ほどで造形できる[クリックで拡大] 出所:Formlabs
また、Form 4と同じく、駆動部がビルドプラットフォームの上下のみになったため、装置としての信頼性も大幅に向上し、故障リスクを低減。その他のパーツ類や光学ユニットなどの交換も容易に行える設計となっている。
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