チップレット量産技術を開発、Rapidusが後工程研究開発機能を北海道千歳市に設置:製造マネジメントニュース
Rapidusは、北海道千歳市のセイコーエプソン 千歳事業所内にクリーンルームを構築し、半導体後工程の研究開発拠点「Rapidus Chiplet Solutions(RCS)」を開設する。
Rapidus(ラピダス)は2024年10月3日、北海道千歳市のセイコーエプソン 千歳事業所内にクリーンルームを構築し、半導体後工程の研究開発拠点「Rapidus Chiplet Solutions(RCS)」を開設すると発表した。
RCSのクリーンルーム面積は、約9000m2で、Rapidusはここで「2nm世代半導体のチップレットパッケージ設計/製造技術開発」をテーマに、自動化も含めたチップレットパッケージの量産技術開発を進める。
2025年4月から製造装置の導入を開始し、2026年4月を目標に研究開発活動をスタートする計画だ。RCSには、FCBGAプロセス、Siインターポーザプロセス、RDLプロセス、ハイブリッドボンディングプロセスに対応したパイロットラインが設置される。装置の自動化なども含め、量産技術の研究開発を行う。
Rapidusの後工程およびチップレット集積技術の開発は、2024年4月に経済産業省、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の「2nm世代半導体のチップレットパッケージ設計・製造技術開発」に採択されている。チップレット集積や2.5/3次元実装などの要素技術の開発を進めており、2024年6月には、ウエハープロセスだけでなくチップレット技術においてもIBMとパートナーシップを締結した。この他、LSTC、産総研、東京大学、ドイツのFraunhofer、シンガポールA*STAR IMEなどと連携し、開発を進めている。
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