2nm先端ロジック半導体の国産目指すRapidus、北海道千歳市に製造拠点建設を決定:工場ニュース
Rapidusは、新たに建設する最先端半導体工場の建設予定地として、北海道千歳市を選定したことを発表した。
Rapidusは2023年2月28日、新たに建設する最先端半導体工場の建設予定地として、北海道千歳市を選定したことを発表した。
Rapidusは次世代半導体の量産製造を行うため、2022年8月にトヨタ自動車など8社からの賛同と出資を得て設立された企業だ。政府から700億円の補助を受け、先端ロジックファウンドリとして2020年代後半に2nmプロセス半導体の量産を行うことを目標として掲げている。
2nmプロセスの製造技術を確立するために、Rapidusでは2022年12月にIBMとの共同開発パートナーシップを締結。これに基づきIBMの2nmノード技術の開発を共同で推進し、新たな製造拠点にも導入する計画としている。また、Rapidusではこれに加え、ベルギーの半導体研究開発機関であるimecとも技術開発における協業を発表している。工場は、2025年に試作ライン、2020年代後半に量産ラインを立ち上げる計画だ。
北海道千歳市選んだ理由について、Rapidus 代表取締役社長の小池淳義氏は「グローバルでの人材交流やエコシステムの発展など、中長期的なポテンシャルがある点を踏まえ、工場の予定地として北海道千歳市を選ばせていただいた」とコメントしている。
北海道千歳市が誘致を進めていると千歳市工業団地には、車載用センサーを生産しているデンソー北海道や、半導体集積回路の開発/設計/製造を行うミツミ電機 千歳事業所、高温ポリシリコンTFT液晶パネルなどを生産するセイコーエプソン 千歳事業所が進出している。その他、千歳市工業団地の立地企業データベースを検索すると、半導体関連ではエヌ・ティ、FJコンポジット、メデック、アルファテック、SUMCO、フルヤ金属、巴商会、大成工業なども立地している。
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