経済産業省は2022年11月11日、次世代半導体のための研究開発組織の設立と、その量産製造拠点を担う組織の選定を発表しました。前者の組織は「Leading-edge Semiconductor Technology Center(LSTC)」、後者の組織は「Rapidus」という名称です。政府はこの2つの組織の協働を通じて、2nm以細の次世代半導体の技術開発と量産化を目指す方針です。
この内Rapidusにはキオクシアやソニーグループ、ソフトバンク、デンソー、トヨタ自動車、NTT、NEC、三菱UFJ銀行など国内トップ企業8社による出資も注目を集めました。一方で、Rapidusという新会社が具体的にどのような取り組みを進めていくのか、出資企業がどのように関わるかなどはあまり明らかにされていません。
今回はその一端を知る手掛かりとして、出資企業の1社であるNTTの代表取締役社長である島田明氏の、「NTT R&Dフォーラム2022」(2022年11月16〜18日)の報道関係者向け発表における質疑応答を抜粋して紹介したいと思います。報道陣からは、NTTの出資理由やRapidusへの期待感について質問が出ました。
少量多品種の半導体製造を
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