村田製作所が「世界最小」の積層セラコンを開発、016008Mサイズ:組み込み開発ニュース
村田製作所は「世界最小」(同社)とする016008Mサイズ(0.16mm×0.08mm)の積層セラミックコンデンサーを開発した。現行の最小品である0201Mサイズ(0.25mm×0.125mm)と比べて体積比で約75%の削減となる。
村田製作所は2024年9月19日、「世界最小」(同社)とする016008Mサイズ(0.16mm×0.08mm)の積層セラミックコンデンサーを開発したと発表した。現行の最小品である0201Mサイズ(0.25mm×0.125mm)と比べて体積比で約75%の削減となる。2024年度末にサンプル供給を始める予定だ。
新製品の外形寸法は長さ0.16×幅0.08×厚さ0.08mm。主に、スマートフォンなどの小型モバイル機器に組み込み各種モジュールやウェアラブル機器向けを想定している。
近年、電子機器の高機能化/小型化により、電子部品の搭載点数増加や搭載スペースの縮小が進んでいる。あらゆる電子機器に搭載される積層セラミックコンデンサーについても、電子機器の高機能化に伴って搭載点数が増加しており、最新のスマートフォンには最大で1000個程度使用されている。
こうした背景から、限られた搭載スペースで高密度での部品実装を可能にする超小型品へのニーズが高まっており、今回の村田製作所による016008Mサイズの開発につながった。同社は2014年に、現行の最小品である0201Mサイズの積層セラミックコンデンサーを世界で初めて開発しており、既にスマートフォン向けモジュールやウェアラブル機器に採用されている。
なお、016008Mサイズの積層セラミックコンデンサーは、「CEATEC JAPAN 2024」(2024年10月15〜18日、幕張メッセ)の同社ブースで展示される予定だ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 1608Mサイズで静電容量100μFの積層セラミックコンデンサーを発売
村田製作所は、1608Mサイズで、静電容量100μFの積層セラミックコンデンサー「GRM188C80E107M」「GRM188R60E107M」を発表した。最大105℃の高温環境下に対応し、コンデンサーをIC近傍に配置できる。 - アンテナ間干渉を省スペースで改善するデバイス「Radisol」を開発
村田製作所は、アンテナ間干渉改善デバイス「Radisol」を開発した。独自のセラミック多層技術とRF回路設計技術により開発しており、アンテナに搭載することでアンテナ特性を最大化する。 - 負の相互インダクタンスを活用してノイズを除去するLキャンセルトランス
村田製作所は、負の相互インダクタンスを活用したLキャンセルトランス「LXLC21」シリーズを発表した。数M〜1GHzの高調波領域で電源ノイズ対策が可能となり、電子機器の小型化と高機能化に対応する。 - EVの内気循環エアコンで感じやすい眠気、CO2吸着フィルターが吹き飛ばす
村田製作所は、「人とくるまのテクノロジー展 2024 YOKOHAMA」において、開発中のCO2吸着フィルターを展示した。室温と大気圧の環境下でCO2吸着が可能であり除湿効果も得られることから、EVのエアコン利用時に一般的な内気循環モードのCO2濃度増加によって起こりがちな眠気の発生を抑える効果が期待できる。 - LoRaWANと衛星通信に対応した通信モジュールを開発
村田製作所は、LoRaWANと衛星通信に対応した通信モジュール「Type 2GT」の量産を開始した。Semtechのチップセット「Connect LR1121」を搭載し、860M〜930MHzおよび2.4GHzのISM Band、最大22dBmの長距離通信と衛星通信が可能だ。 - タイヤの摩耗を手軽に3次元で検知、村田製作所と住友ゴムが共同開発
村田製作所はタイヤの摩耗を3次元で可視化するタイヤ摩耗検知システムを住友ゴム工業と共同で開発し、2025年から住友ゴムのダンロップ直営店で実証を開始する。