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LoRaWANと衛星通信に対応した通信モジュールを開発:組み込み開発ニュース
村田製作所は、LoRaWANと衛星通信に対応した通信モジュール「Type 2GT」の量産を開始した。Semtechのチップセット「Connect LR1121」を搭載し、860M〜930MHzおよび2.4GHzのISM Band、最大22dBmの長距離通信と衛星通信が可能だ。
村田製作所は2024年4月2日、LoRaWANと衛星通信(S-Band)に対応した通信モジュール「Type 2GT」を発表した。同年3月に量産を開始しており、スマート農業や環境センシング、スマートホームなど、さまざまなIoT(モノのインターネット)機器に適する。
Type 2GTは、Semtechのチップセット「Connect LR1121」を搭載。860M〜930MHzおよび2.4GHzのISM Band、最大22dBmの長距離通信と衛星通信が可能だ。LPWA(Low Power Wide Area)無線通信のうち、無線局免許が不要のアンライセンスバンド(Sub-GHz帯)を利用するLoRaWANと衛星通信のマルチバンドに対応し、従来のセルラー通信が利用できないエリアでもデータ通信が実施できる。
独自の無線設計技術、省スペース実装技術、製品加工技術を採用し、9.98×8.70×1.74mmと小型化している。欧州、米国、カナダ、日本での規格認証を取得しており、IoTデバイスの設計から最終製品の市場投入までの時間を短縮できる。
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