ニュース
次世代無線通信製品の開発を効率化するシミュレーションツールを提供:CAEニュース
アンシス・ジャパンは、村田製作所と新たな複数年契約を締結した。Ansysのマルチフィジックスシミュレーションツールが、村田製作所の次世代ワイヤレス通信、移動体製品向け電子部品の開発を効率化する。
アンシス・ジャパンは2022年11月7日、村田製作所との新たな複数年契約に基づき、マルチフィジックスシミュレーションツールを提供したと発表した。村田製作所の次世代ワイヤレス通信、移動体製品向け電子部品の効率的な開発を支援する。
村田製作所は、Ansysが有する幅広いシミュレーション製品群を活用することで、RFモジュール、樹脂多層基板「メトロサーク」、積層セラミックコンデンサー(MLCC)などの電子部品の効率、性能、品質を向上できる。
両社はこれまでも協業しており、村田製作所はAnsysの3次元高周波電磁界シミュレーションソフトウェア「Ansys HFSS」を使用し、効率的な直流共鳴方式を開発。この技術は、電池や有線方式の給電能力を上回り、より多くの機器を充電可能な無線電力伝送システムに適する。
また今後、Ansysのエレクトロニクスシステム設計ツールを導入し、低消費電力で高い動力性能と信頼性を持つ、将来の高周波デバイスや通信モジュールの開発を計画している。
Ansysのツールは、EMI(電磁干渉)、EMC(電磁気的両立性)、RFI(無線周波数干渉)などの現象をモデル化できるため、複雑で大規模なエレクトロニクスエンジニアリングの課題解決に役立つ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- シミュレーションソフトウェアで5G携帯電話用アンテナの解析を自動化
Ansysのシミュレーションソフトウェア「Ansys HFSS」を、Wistronが採用した。同ソフトは、FCC認証に必要な5G携帯電話用アンテナの自動解析と信号カバレッジの最適化を可能にし、検証コストと時間を低減する。 - 大規模設計で高い性能を発揮するシミュレーションソフトの最新版を発表
Ansysは、マルチフィジックス解析ソフトウェアの最新版「Ansys 2022 R2」を発表した。予測精度の高い解析、AIやMLの最適化、スケーラブルなプラットフォームを提供する。 - AnsysとAppleが協業し、MagSafeモジュール開発者向けソリューションを提供
AnsysはAppleと協業し、Made For iPhone(MFi)プログラムに基づきMagSafeモジュールを開発するサードパーティー向けに、クラウドベースのRF安全性試験シミュレーションソリューションを新たに開発した。 - 複雑な電磁界システムの完全連成解析を支援する「Ansys HFSS Mesh Fusion」
Ansysは、大規模な設計のメッシュ生成と解析が行え、開発コスト削減と次世代製品開発の促進に貢献する「Ansys HFSS Mesh Fusion」を発表した。デザインや忠実度を損なうことなく、複雑な電磁界システムの完全連成シミュレーションを高速に実行できる。 - スケール感の異なるモデルが混在してもシステム全体で安定したメッシュ生成/電磁界解析を実現
アンシス・ジャパンはオンライン記者説明会を開催し、高周波3次元電磁界解析ソフトウェア「Ansys HFSS」の最新バージョン「Ansys HFSS 2021 R1」に搭載された新技術「Ansys HFSS Mesh Fusion」の詳細について説明した。 - マルチフィジックス解析ソフトウェアの最新版「Ansys 2022 R1」を販売開始
サイバネットシステムは、マルチフィジックス解析ソフトウェアの最新バージョン「Ansys 2022 R1」の日本語版を販売開始する。より深い洞察を得るための機能改善やユーザビリティの向上など、さまざまな機能を強化した。