ニュース
シミュレーションソフトウェアで5G携帯電話用アンテナの解析を自動化:CAEニュース
Ansysのシミュレーションソフトウェア「Ansys HFSS」を、Wistronが採用した。同ソフトは、FCC認証に必要な5G携帯電話用アンテナの自動解析と信号カバレッジの最適化を可能にし、検証コストと時間を低減する。
Ansysは2022年2月7日、同社のシミュレーションソフトウェア「Ansys HFSS」をWistronが採用し、5G携帯電話用アンテナの解析を自動化したと発表した。
製造した機器の信号カバレッジがFCC(米国連邦通信委員会)認証に適合するかをメーカーが確認する際、これまでの試験装置では高いコストや数カ月に及ぶ検証時間が必要だった。
Ansys HFSSは、高周波電子機器の設計やシミュレーションをするための3次元電磁界(EM)シミュレーションソフトウェアで、5G携帯電話用アンテナの性能を高速にシミュレーションして計測できる。
アンテナ性能の検証に必要な高忠実度の結果が得られるだけでなく、検証に要するコストと時間を削減する。また、自動車用レーダーセンサーや人工衛星通信などさまざまな5Gアプリケーションに使用されるアレイアンテナを高い予測精度、信頼度で解析できる。
Ansys HFSSの採用により、Wistronはモジュールの位置と方向をより正確に調整できるようになり、FCC認証に必要なパワー密度解析の自動化と、信号カバレッジの最適化が可能になった。5G携帯電話の設計が効率化され、製造コストと時間を低減している。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- シミュレーションソリューションの最新版「Ansys 2022 R1」の注目ポイント
アンシス・ジャパンは、シミュレーションソリューションの最新バージョン「Ansys 2022 R1」のリリースに伴いオンライン記者説明会を開催。Ansysのビジネスアップデートと、Ansys 2022 R1の主要な新機能/機能強化ポイントについて説明した。 - 接着接合部の設計改善を支援する材料モデリングトレーニングプログラム
Ansysと3Mは、接着接合部の設計改善を支援する、材料モデリングトレーニングプログラムを開設した。エンジニアがスキルを向上させることで、製品開発プロセスの改善、設計ステージの迅速化、材料廃棄の削減などを図る。 - TSMCと協業し、マルチダイ設計に対する包括的な熱解析ソリューションを開発
Ansysは、TSMCと協業し、TSMC 3DFabricを用いたマルチダイ設計に対する包括的な熱解析ソリューションを開発した。綿密な熱解析により、オーバーヒートによるシステムの故障を防ぎ、使用期間中の信頼性を向上する。 - スケール感の異なるモデルが混在してもシステム全体で安定したメッシュ生成/電磁界解析を実現
アンシス・ジャパンはオンライン記者説明会を開催し、高周波3次元電磁界解析ソフトウェア「Ansys HFSS」の最新バージョン「Ansys HFSS 2021 R1」に搭載された新技術「Ansys HFSS Mesh Fusion」の詳細について説明した。 - 複雑な電磁界システムの完全連成解析を支援する「Ansys HFSS Mesh Fusion」
Ansysは、大規模な設計のメッシュ生成と解析が行え、開発コスト削減と次世代製品開発の促進に貢献する「Ansys HFSS Mesh Fusion」を発表した。デザインや忠実度を損なうことなく、複雑な電磁界システムの完全連成シミュレーションを高速に実行できる。 - Ansys、シミュレーションベースのデジタルツインの実現を提案
アンシス・ジャパンは、オンライン記者説明会を開催し、同社のビジネス概況と日本の製造業におけるデジタルツイン普及への取り組みについて説明。併せて、シミュレーションをベースとする同社のデジタルツインを展開する戦略的パートナーとして、SB C&Sとの協業に関する説明も行われた。