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コンクリートの硬化初期強度をRFIDセンサーで管理するシステムを共同開発:組み込み開発ニュース
TOPPANエッジと長谷工コーポレーションは、コンクリートの硬化による強度の発現を遠隔で確認できる「RFIDセンサーシステム」を共同開発した。建設現場の作業効率向上と環境負荷軽減を推進する。
TOPPANエッジは2024年8月29日、長谷工コーポレーションと共同開発した、コンクリートの硬化による強度の発現を遠隔で確認できる「RFIDセンサーシステム」を発表した。建設現場のDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進する。
RFIDセンサーシステムは、コンクリートを打ち込む型枠の内側に「RFIDセンサー」を設置し、外側に「読み取り機」を取り付けることで、打ち込まれたコンクリートの温度を測定し記録する。
RFIDセンサーはシール状のため、型枠の内側に簡単に貼付でき、配線処理や型枠の加工、型枠を外した後の仕上げ施工は不要だ。また、無線通信により外側の読み取り機で温度データを記録し、クラウドに自動転送することで、遠隔からもコンクリートの強度発現を確認できる。
同システムにより、これまで外部機関が実施していたコンクリートの硬化初期の圧縮強度試験が不要となり、次の施工工程への迅速な移行が可能になる。さらに、圧縮強度試験に用いる供試体も不要になるため、CO2排出量や廃棄物の削減につながる。
両社は2024年初めから、長谷工コーポレーションの建設現場で同システムの検証を実施している。同システムの2025年度中の本格導入を目指し、施工管理方法の確立や、操作性、作業性の向上を進めている。
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