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RFIDタグから設備の温度情報を一括取得、設備点検の工数を削減へ:FAニュース
NSKとTOPPANエッジは温度センサー搭載RFIDタグを活用した、産業機械設備向け保全管理システムの共同開発を開始した。
NSKとTOPPANエッジは2023年11月7日、温度センサー搭載RFIDタグを活用した、産業機械設備向け保全管理システムの共同開発を開始したことを発表した。同開発品を「2023国際ロボット展」(2023年11月29日〜12月2日、東京ビッグサイト)および「IPF Japan 2023(国際プラスチックフェア)」(2023年11月28日〜12月2日、幕張メッセ)に参考出展する。
同システムは、産業機械設備に取り付け可能な温度センサーを搭載したRFIDタグと、そのタグに対応したRFIDリーダー、取得したデータを管理分析可能なシステムで構成されている。温度センサー搭載のRFIDタグを保全対象となる軸受や直動製品などの近傍に取り付けることで、機械設備の稼働時や点検、保守の際にRFIDリーダーをかざすだけで複数のID情報と温度情報を一括で読み取ることができるようになる。
RFIDタグは、産業機械設備の金属面の電波干渉を受けても通信が可能。温度測定に必要な電力もリーダー側から無線で給電されるパッシブ方式で設計しているため、バッテリーレスでメンテナンスの手間がかからない。
RFIDリーダーで取得したID情報と温度情報から、点検、保守の履歴や過去からの温度推移の他、製品番号や稼働開始日などさまざまなデータを記録、照合できる。NSKとTOPPANエッジでは、2024年度のパイロットユーザーによる実機検証の実施を目指している。
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