日本精工は2022年度増収増益も、ステアリング事業は新たなパートナーと再構築へ:FAニュース
日本精工(NSK)は2023年3月期(2022年度)の決算を発表した。売上高は2021年度比8.4%増の9381億円、営業利益は同11.9%増の329億円の増収増益となった。
日本精工(NSK)は2023年5月12日、2023年3月期(2022年度)の決算を発表した。
売上高は2021年度比8.4%増の9381億円、営業利益は同11.9%増の329億円となった。インフレコストの売価転嫁の進展と円安効果で増収増益だった。ただし、売価転嫁と為替の影響を除いた実質ベースでは同4%減の8308億円だった。
セグメント別では産業機械事業の売上高は同9.3%増の3851億円だった。産業機械軸受の売り上げは同8.8%増の3159億円、精機製品の売り上げは同11.6%増の692億円だった。前半は工作機械、半導体製造装置向けなどが好調に推移したが、後半に減速した。
自動車事業の売上高は同7.9%増の5207億円だった。自動車軸受の売り上げは同11.6%増の2896億円、自動車部品の売り上げは同3.6%増の2311億円だった。
2024年3月期(2023年度)の売上高は2022年度比5.5%増の9900億円、営業利益は同26%増の415億円を見込む。産業機械事業では半導体不足などの問題は緩和し、工作機械や半導体製造装置の調整局面は後半にかけて緩やかに回復すると見通す。自動車事業ではグローバルの自動車生産台数を年間8600万台と想定し、鋼材、エネルギー価格も日本を中心に高止まりすると見る。
セグメント別では産業機械事業の売り上げは同2%減の3775億円を見込む。産業機械軸受の売上高は同1.1%増の3190億円、精機製品は同15.5%減の585億円の内訳だが、セグメント利益は値上げによる販売ボリューム減などを考慮して同22.6%減の275億円を計画する。
自動車事業の売り上げは半導体不足などの回復を受けて、同11.4%増の5800億円の見通しとなっている。為替は1米ドル125円を想定する。
ドイツのティッセンクルップと進めていたステアリング事業に関する合弁会社設立の協議は中止し、ジャパン・インダストリアル・ソリューションズ(JIS)と合弁契約を結び、ステアリング事業を担うNSKステリング&コントロールを2023年7月3日に持分法適用会社へ移行する。株式保有割合はNSKが49.9%、JISが50.1%となる。
協議打ち切りの理由についてNSK 代表執行役専務 CFOの鈴木啓太氏は「半導体不足やロシアによるウクライナ侵攻、インフレなど事業環境がなかなか定まらない中で1年がたった。今後も見通すのが難しく、双方で一度白紙に戻すということに至った。いったんJISと組み、基盤をしっかりさせた上で、新たな価値の創造を目指して次のパートナーを探したい」と語った。
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