NSKとティッセンクルップが合弁会社、ステアリング事業でシナジー創出目指す:安全システム
日本精工(NSK)は2022年5月12日、ドイツのティッセンクルップと合弁会社設立に関する基本合意書を締結したと発表した。2022年度中に最終契約を締結することを目指す。両社の自動車用ステアリング事業で協力して、スケールメリットの創出や投資の分担などでシナジーを創出し、プレゼンス向上につなげる。
日本精工(NSK)は2022年5月12日、ドイツのティッセンクルップと合弁会社設立に関する基本合意書を締結したと発表した。2022年度中に最終契約を締結することを目指す。両社の自動車用ステアリング事業で協力して、スケールメリットの創出や投資の分担などでシナジーを創出し、プレゼンス向上につなげる。ステアリング事業の分社化や統合は行わず、既存の取引への対応に影響はないとしている。
出資比率は今後議論するが、ティッセンクルップが過半数を出資する。両社のステアリング事業の規模は、ティッセンクルップが約20億ユーロ(約2700億円)、NSKが約1500億円となっている。
中・小型車向けのコラムアシストEPS(電動パワーステアリング)を得意とするNSKと、中・大型車向けのラックアシストEPSに強いティッセンクルップが協力することで、あらゆるタイプのステアリングシステムをそろえることを狙う。製品タイプだけでなく、顧客や地域も補完し合えるという。
ティッセンクルップは現在、特定のパワートレインに依存しないシャシー技術への投資に注力している。NSKは2016〜2018年度の中期経営計画において、次の成長への種まきとしてラックアシストEPSの自社開発をテーマに挙げていた。また、2019〜2021年度の中計ではステアリング事業の再成長に向けて、製品ラインアップの拡充やアライアンスの活用に取り組む方針だった。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 大型トラックのステアリングを指1本でも回せる、UDトラックスが新機能
UDトラックスは2021年7月1日、大型トラックの「クオン」に電動油圧パワーステアリングシステム「UDアクティブステアリング」を搭載すると発表した。電子制御化することにより、走行場面や速度域に応じてステアリングの重さを制御したり、旋回後にステアリングを自動で直進状態に戻したりする他、横風を受けたときの走行補正などを実現。ステアリング操作によって発生する負担を軽減する。車線逸脱抑制機能にも対応した。 - 二輪車にステアリングアシスト、ヤマハ発動機が全日本モトクロス選手権で投入
ヤマハ発動機は2022年3月24日、二輪車用のステアリングサポートシステム「Electric Power Steering(EPS)」を発表した。 - 電動パワーステアリング世界トップシェアは譲らない、ジェイテクトの戦略とは
電動パワーステアリング(EPS)で世界トップシェアを握るジェイテクト。同社は、EPSの世界トップシェアを維持するため、「上流から下流へ」向かうという事業戦略を展開している。 - 左右のタイヤを別の角度で曲げる、ジェイテクトの左右独立ステアバイワイヤ
ジェイテクトは「第46回東京モーターショー2019」(会期:2019年10月24日〜11月4日、東京ビッグサイト他)において、左右独立型ステアバイワイヤシステムを発表した。 - ラック同軸式に取って代わる「ラックパラレルEPS」、10μmの差で差別化図る
レクサスブランドのフラグシップクーペ「LC」。ステアリングには、ジェイテクトが開発した「ラックパラレルEPS(電動パワーステアリング)」が採用されている。2016年12月に生産が立ち上がったばかりだが、2020年にはグローバルシェア17.2%を目標とする注力製品だ。