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塗布型でRFIDタグのコスト削減へ、東芝テックが東レとタッグ:リテールテックJAPAN 2024
東芝テックは、「リテールテックJAPAN 2024」において、塗布型RFIDタグシステムを参考出展した。東レの塗布型RFIDタグに対応するRFIDリーダーの開発を東芝テックが進めており、2025年度のサンプル出荷を目指す。
東芝テックは、「リテールテックJAPAN 2024」(2023年3月12〜15日、東京ビッグサイト)において、塗布型RFIDタグシステムを参考出展した。東レの塗布型RFIDタグに対応するRFIDリーダーの開発を東芝テックが進めており、2025年度のサンプル出荷を目指す。
小売り市場においてRFIDタグの導入が広がらない理由として高いコストが挙げられる。東レの塗布型RFIDタグは、同社が開発した高性能半導体カーボンナノチューブ複合体を用いてフレキシブルなフィルム上に半導体回路を塗布形成する技術を用いており、一般的なICチップを用いるUHF帯対応のRFIDタグと比べてコストを約3分の1に削減できるという。
ただし、塗布型RFIDタグはICチップと比べて電子回路の集積度が低いこともあり、ICチップベースのRFIDタグ向けのRFIDリーダーでは情報の読み取りができない。今回展示したのは、東芝テックが開発中の塗布型RFIDタグ専用RFIDリーダーで、本体とアンテナから構成されている。試作品ということもあり、アンテナは大きめで読み取り速度も数秒かかるといった状態だったが「今後の最適化により、既存のRFIDリーダーと同程度の使い勝手を実現できるだろう」(東芝テックの説明員)としている。
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