廃インキを石炭代替燃料にリサイクルする実証実験をスタート:リサイクルニュース
サカタインクスは、産業廃棄物処理業を展開するダイセキと共同で廃インキなどをリサイクルする実証実験を開始した。
サカタインクスは2024年9月2日、ダイセキと共同で廃インキなどをリサイクルする実証実験を開始したと発表した。
2024年秋頃にリサイクルのスキームを顧客や他社に展開予定
同社は現在、印刷やパッケージの廃棄物の再資源化に向け、国内4工場で実証実験を進めている。実証実験を進めるに当たり、廃棄物の素材ごとにパートナー会社を選定。同年6月には第1弾として、エムエム建材と共同で金属スクラップをリサイクルする実証実験の実施を発表した。
今回の取り組みでは、第2弾として廃インキなどの廃液をリサイクルする実証実験をダイセキと行っている。ダイセキは、60年以上にわたり産業廃棄物処理業を展開する企業で、特に処理難度の高い廃油、廃水、汚泥などの液状産業廃棄物のリサイクル分野で高い技術力を有す。
今回の実証実験では、サカタインクスの大阪工場(兵庫県伊丹市)で発生している廃グラビアインキをダイセキが回収しエマルジョン化したものを、セメント会社が製造設備稼働用の石炭代替燃料として利用している。既にその有効性も確認済みだ。
また、リサイクルの対象となっているサカタインクスの製品「ボタニカルインキ」は、材料の一部に植物由来成分を使用しているため、廃インキとなり燃料として利用されても、発生するCO2をオフセットする効果がある。
今後は、国内の他の工場でもこの実証実験を展開し、環境面や経済面でのメリットを実績として算出する。廃棄物回収と資源再生に向けた取り組みに協力する資源リサイクルのパートナーも募集し、廃棄物の再資源化に向けた一連のスキーム構築を進め、2024年秋頃をめどに、顧客や同業他社などへの展開を開始していく予定だ。
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