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CO2ゼロ工場は累計44工場に、パナソニックHDの環境行動計画の進捗度脱炭素

パナソニック ホールディングスは、2023年度の環境問題に対する取り組みをまとめた「サステナビリティ データブック2024」を公開した。

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 パナソニック ホールディングスは2024年8月30日、2023年度の環境問題に対する取り組みをまとめた「サステナビリティ データブック2024」を公開した。CO2の排出量が実質的にゼロとなるCO2ゼロ工場は累計44工場となり、目標を前倒しで達成しているという。

 パナソニック ホールディングスでは2022年にグループ環境ビジョン「Panasonic GREEN IMPACT」を発表。「GHGプロトコル」のスコープ1、2、3など自社のバリューチェーンに関わる排出量を示す「OWN IMPACT」で約1.1億トン、製品などを通じて社会でのCO2排出量削減に貢献する「CONTRIBUTION IMPACT」で約1億トン、将来の新技術や新事業によってCO2排出量削減を目指す「FUTURE IMPACT」で約1億トンのCO2排出量の削減を目指している。

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「Panasonic GREEN IMPACT」の概要[クリックで拡大] 出所:パナソニック ホールディングス

 これらを具体的に推進していくために、2030年までのマイルストーンや、それらを実現していくための環境行動計画を用意。現在は2022年7月に発表した2025年3月期(2024年度)を最終年度とする「GREEN IMPACT PLAN 2024(GIP2024)」を推進中だ。今回はこの環境行動計画における2023年度までの実績について紹介した。

バリューチェーン全体のCO2排出量は算定基準変更で増加

 OWN IMPACTについては、GIP2024では2020年度比で合計1634万トンの削減につなげる計画だったが、算定対象範囲の拡大により絶対値としては逆に1901万トンの増加という結果となった。ただ、2023年度と同じ対象範囲で2020年度基準を見直した場合、1208万トンの削減にはなっているという。一方で、スコープ1、2の領域では、CO2ゼロ工場が、2024年度で37工場の達成という目標に対し、44工場を達成するなど、前倒しで進んでおり、CO2削減量についても、26万トンの削減計画に対し、68万トンの削減を達成している。削減貢献量についても3830万トン目標のところ、3697万トンの実績とほぼ目標をトレースしている。

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CO2ゼロ工場の進捗[クリックで拡大] 出所:パナソニック ホールディングス

 資源循環については、工場廃棄物のリサイクル率やサーキュラーエコノミー型事業モデルなどはほぼ計画通りで進んでいるが、再生樹脂の使用量については2022〜2024年度の合計で9万トンのところ、2022〜2023年度の実績が2.96万トンにとどまるなど、大幅に目標と乖離(かいり)がある状況となっている。

 パナソニック ホールディングス サステナビリティ経営強化プロジェクト リーダー 奥長秀介氏は「全体としてはこれまでと同様に順調に進んでいるといえるが、OWN IMPACTにおけるCO2排出量の削減目標については、算定対象範囲が変わったとはいえ、絶対値が増えており、それをリカバリーする計画に乗せられていないという点で課題だと捉えている。また、再生樹脂の使用量についても、目標との差が大きいため、これらをどうするかは今後考えていかなければならない」と述べている。

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GIP2024の進捗度[クリックで拡大] 出所:パナソニック ホールディングス

 OWN IMPACTにおける算定対象範囲については、主にスコープ3におけるカテゴリー11(販売した製品の使用によって発生するCO2)で、サイネージや溶接機器などの製品を加えた。「従来は可視化が進んでいなかったり、業界などのガイドラインなどが定まっていないような領域があり、そういう領域も今までは概算で入れていたが、定まったものから順次、それらを取り入れて組み込むようにしている。今回加えた製品分野も同様の流れで取り入れた結果、絶対値が増えることになった。今後も業界のルールやM&Aなどによって変わる可能性はある。また、中間財など扱いが不透明だった領域を取り込むような動きもあり、それによって増えることもあり得る」とパナソニック オペレーショナルエクセレンス 品質・環境本部 部長の園田圭一郎氏は語る。

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CO2排出量の推移[クリックで拡大] 出所:パナソニック ホールディングス

削減貢献量の国際標準化も推進

 削減貢献量については、主に「電化」や「置き換え」「ソリューション」として、各種製品分野で取り組みを進めているが、全56製品/サービスで合計3697万トンの削減貢献があったとしている。加えて、業界標準化や国際標準化への取り組みを進めており、WBCSD(持続可能な開発のための世界経済人会議)や、GXリーグのガイダンスに準拠した事例を公開している他、IECの国際規格化を進めているところだという。「早ければ2024年度中に規格化される可能性もある」(園田氏)としている。

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削減貢献量のルール作りへの取り組み[クリックで拡大] 出所:パナソニック ホールディングス

 資源循環におけるサーキュラーエコノミー事業としては、新たに「道路トンネル用換気送風システムのメンテナンス事業」「洗濯機や冷蔵庫やテレビのリファービッシュ事業」「再生樹脂を使用した掃除機」などの3事業を追加し、2024年度目標を前倒しで達成している。

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サーキュラーエコノミー型事業[クリックで拡大] 出所:パナソニック ホールディングス

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