サポートOSにWindows 11 IoTを追加、安全なデバイス運用と管理に向け:組み込み開発ニュース
Advantech(アドバンテック)は、製品プラットフォームのサポートOSに「Windows 11 IoT Enterprise LTSC 2024」を新たに追加する。Windows 11の高度な機能と、同社のセキュリティ製品およびWindows拡張ツールの統合が可能になる。
Advantech(アドバンテック)は2024年8月6日、同社の広範な製品プラットフォームのサポートOSに「Windows 11 IoT Enterprise LTSC 2024」を追加すると発表した。エッジコンピューティングプラットフォームのセキュリティを強化し、安全なデバイスの運用と管理を支援する。
新OSの追加により、Windows 11の高度な機能と、同社のセキュリティ製品およびWindows拡張ツール「Advantech Power Suite」の統合が可能になる。これにより、製造業における機密データ保護の強化、小売業向けにカスタマイズしたインタフェースの実装、医療現場におけるデバイス管理の簡素化など、さまざまな産業分野向けアプリケーションをサポートする。
10年間の長期サポートによりシステムの信頼性と安全性を保証し、頻繁なOSアップデートが不要なため、システムの中断やダウンタイムを低減する。また、同社の幅広いハードウェアでサポートする「TPM(Trusted Platform Module)2.0」と、「Windows Defender」や「Credential Guard」など、Windows 11 IoT Enterprise LTSCの内蔵セキュリティ機能とを組み合わせることで、サイバー脅威に対する保護を強化する。
Advantech Power Suiteは、OSの効率的なカスタマイズと管理を支援するツールで、主な機能に「Lockdown Utility」「OS Enhancement Utility」「ADV Image Manager」が含まれる。これらを使用することで、セキュリティの強化、高度な設定管理、迅速なバックアップの実行、組み込みデバイスへのリストアなどを支援する。
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