ついに登場したWindows 11、IoT機器向けでは何が変わるのか:Windows 11時代に突入するIoT機器向けWindows(1)(1/3 ページ)
2021年10月に正式リリースされたWindows 11。組み込み機器向けあらためIoT機器向けのWindowsは、このWindows 11の登場によってどうなるのだろうか。本連載では、何が変わるのか、そして何が変わらないのかを中心に最新情報を紹介する。第1回は、IoT機器向けWindows 10/11の全体像について解説する。
2021年10月、Windows 11が正式リリースされました。2015年のWindows 10リリースから6年ぶりの新しいOSの登場、既にご自身のPCでお使いの方もいらっしゃることかと思います。本連載では、IoT(モノのインターネット)機器向けWindows※)において、この最新のOSリリースで何が変わったのか、そして何が変わらないのかを中心に最新情報を紹介します。まず第1回は、IoT機器向けWindows 10/11の全体像について解説していきます。
※)本連載では「IoT機器向け」としていますが、いわゆる組み込み機器でも利用可能なOSであることに変わりはありません。
⇒連載「Windows 11時代に突入するIoT機器向けWindows」バックナンバー
製品のラインアップとサポート期間
これまで、Windows 10のIoT機器向けエディションには「定期的なバージョンアップによりサポートが継続されるモデル(半期チャネル)」と「バージョンアップがなくサポート期間が10年に固定されているモデル(長期サービスチャネル)」の2種類がありました。2021年後半のリリースでは、新たに前者に該当するWindows 11 IoT Enterpriseと、後者に該当するWindows 10 IoT Enterprise 2021 LTSCが加わります(図1)。
製品数が多くなったため一見複雑に見えますが、ラインアップとサポート期間については以下を押さえておけばよいかと思います。
- Windows 10 IoT Enterprise
- →バージョン21H2以降、年1回の更新予定に変更された
- →各バージョンで30カ月間サポートされる
- →Windows 10 IoT Enterprise(製品全体)のサポートは2025年10月14日までであることが示された
- Windows 11 IoT Enterprise
- →バージョン 21H2から新しく登場した。年1回の更新予定
- →各バージョンで36カ月間サポートされる
- Windows 10 IoT Enterprise 2021 LTSC
- →バージョン21H2をベースとした長期サービスチャネルモデルとして新しく登場した
- →バージョン21H2のまま10年間(2032年1月まで)サポートを継続する
- →旧バージョン(2015/2016/2019)の供給やサポートに変更はない
IoT機器においては、常に最新の機能やユーザーエクスペリエンスを使用することよりも、長期間の安定稼働と供給を重視することを目的として長期サービスチャネル(LTSC)が採用される傾向が多くみられます。しかし、今回のリリースでは、LTSCはWindows 10として提供されています。あえて強調すると“Windows 11 IoT Enterprise LTSCはリリースされませんでした”。Windows 11 IoT Enterprise LTSCのリリース計画について特に言及されていませんが、LTSCは2〜3年ごとに新しい製品をリリースする計画であるため、次回のLTSCが出る際にはWindows 11ベースとなることは十分に考えられます。
また、LTSCではないWindows 10 IoT Enterpriseの供給は継続されますが、サポートは2025年10月に終了することが示されました。このため、現在このOSを使用している、あるいは使用を検討している場合は、将来的なWindows 11 IoT Enterpriseへの移行も視野に入れていただく必要があります。
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