AWSとの協業で、生成AIを活用した臨床用基盤モデルを構築へ:医療機器ニュース
GE HealthCareは、Amazon Web Servicesとの協業を発表した。AWSを戦略的クラウドプロバイダーとし、臨床医の診断や患者へのケアの質を向上させる基盤モデルと、生成AI活用アプリケーションを開発する。
GE HealthCareは2024年7月25日、Amazon Web Services(AWS)との協業を発表した。AWSを戦略的クラウドプロバイダーとし、臨床医の診断や患者へのケアの質を向上させる基盤モデルと、生成AI(人工知能)活用アプリケーションを開発する。
今回の協業により、AWSのヘルスケア向けITインフラと生成AIサービスを利用し、革新的なヘルスケアアプリケーションの開発に向けた専用基盤モデルを構築、実装する。
具体的には、生成AIサービス「Amazon Bedrock」を活用し、カスタマイズした独自の生成AIアプリケーションを提供する。GEヘルスケアの開発担当者は、AIコーディングアシスタント「Amazon Q Developer」を使ってソフトウェアを開発する。
また、ML(機械学習)モデルの構築などに向けたフルマネージドサービス「Amazon SageMaker」で開発した独自の基礎モデルを用いて、一連のアプリケーションを近代化する。こうした医療向けの基盤モデルを開発することで、Webベースの医療用画像処理アプリケーションを展開する。
ユーザーは、HIPAA適合サービス「AWS HealthLake」「AWS HealthImaging」と統合したGEヘルスケアの生成AI搭載アプリケーションを利用することで、医療業務の効率化、診断やスクリーニングの精度向上などが期待できるとしている。
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