DHLジャパンは2024年8月6日、温室効果ガス排出量を見える化する「排出量レポート」の無料提供を開始したと発表した。DHLのアカウントを持つ全ての顧客にスコープ3の温室効果ガス排出量の実態を把握してもらう狙いだ。持続可能な削減目標や改善アクションの策定を支援する。
排出量レポートでは、年間の総排出量から出荷データに基づく貨物ごとの排出量までオンラインのセルフポータルサービスで確認できる。排出量の変化の推移、部門や輸送モード、仕向け地などに分けた詳細なデータも提供する。
持続可能な航空燃料(SAF)を使った国際輸送サービス「GoGreen Plus」のユーザーには、温室効果ガスの削減量についても知らせる。GoGreen Plusは2023年に導入され、日本では4000社が利用した。
自社の温室効果ガスの排出量を把握することが排出削減に向けた重要なステップだとし、排出量レポートを提供する。排出量の算定は第三者機関であるSGS(Societe Generale de Surveillance)から認証を受けた透明性の高いプロセスを採用しているという。
スコープ3とは、GHGプロトコルによる排出主体の分類の1つ。スコープ1が工場で使用する燃料や製造プロセスから、スコープ2が他社から購入した電気などのエネルギーから排出されたものを指す。スコープ3は、スコープ1と2以外のサプライチェーン上での温室効果ガス排出が対象となる。輸送の他、製品の使用や廃棄などもスコープ3に該当する。
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