ニュース
発電時に温室効果ガスを排出しないコンパクトな水素燃料電池発電システムを発売:脱炭素
ヤンマーエネルギーシステムは、コンパクトで複数台を一括制御可能な水素燃料電池発電システム「HP35FA1Z」を商品化した。2024年9月2日から受注を開始する。
ヤンマーホールディングスのグループ会社であるヤンマーエネルギーシステム(ヤンマーES)は2024年7月16日、コンパクトで複数台を一括制御可能な水素燃料電池発電システム「HP35FA1Z」を商品化し、同年9月2日から受注を開始すると発表した。
国内では、脱炭素社会の実現に向けて再生可能エネルギーの活用が注目される中、2024年5月には水素社会推進法が成立するなど、国や自治体が水素燃料の普及に向けて取り組みを進めている。
ヤンマーESは、2023年9月に岡山市東区に実証施設「YANMAR CLEAN ENERGY SITE」を開設し、水素関連技術の開発および実証を進めてきた。
今回開発した発電出力35kWの水素燃料電池発電システムであるHP35FA1Zは、運転時にCO2などの温室効果ガスや窒素酸化物(NOx)などの大気汚染物質を排出しないため、クリーンな電力供給が可能だ。また、運転に必要な機器を内蔵することで導入時の工事を簡素化している他、コンパクトな設計により同出力帯では最小クラスの設置面積を実現した。電力需要や水素利用可能量などに合わせた出力制御や、最大16台の一括制御による複数台運転にも対応しており、脱炭素化目標に合わせ増設することもできる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- トヨタのFCV「MIRAI」や「クラウン」で採用された燃料電池用触媒担体
日鉄ケミカル&マテリアルは「H2&FC EXPO[春]2024〜第21回[国際]水素・燃料電池展[春]〜」で、燃料電池用触媒担体「ESCARBON MCND」を披露した。 - 製鉄プロセス水素還元技術の実証に用いる水素製造設備を受注
三菱化工機は、日本製鉄から水素還元製鉄実証用の水素製造設備を受注した。日本製鉄は同設備を用いて水素を製造し、CO2の排出を抑制する水素還元技術の確立に向けた実証に取り組む。 - トヨタとイオン東北が移動販売事業、双葉町と浪江町の買い物を便利に
福島県双葉町・浪江町とイオン東北、トヨタ自動車は2022年5月31日、「特定復興再生拠点区域等における水素燃料電池自動車を活用した移動販売事業に関する基本協定」を締結したと発表した。 - 小型高圧水素複合容器を搭載した水素燃料電池ドローンの飛行に成功
ドローンワークスは、小型の高圧水素用複合容器を搭載した、水素燃料電池ドローンの飛行実験に成功した。リチウム電池ドローンと比べ、高い飛行性能と環境性能を備える。 - 新たにパナソニックの乾電池生産担う二色の浜工場、環境配慮で水素活用も計画
パナソニック エナジーは2023年11月20日、乾電池製造の旗艦工場として二色の浜工場を本格稼働することを発表した。CO2ゼロ工場としての取り組みも進めており、2024年度には水素エネルギーの設備なども導入する予定。