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新たにパナソニックの乾電池生産担う二色の浜工場、環境配慮で水素活用も計画工場ニュース(1/2 ページ)

パナソニック エナジーは2023年11月20日、乾電池製造の旗艦工場として二色の浜工場を本格稼働することを発表した。CO2ゼロ工場としての取り組みも進めており、2024年度には水素エネルギーの設備なども導入する予定。

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 パナソニック エナジーは2023年11月20日、乾電池製造の旗艦工場として二色の浜工場(大阪府貝塚市)を本格稼働することを発表した。月間で最大約4800万個と「国内最大級」(パナソニック エナジー)の生産能力を持つ。同工場はCO2ゼロ工場としての取り組みも進めており、2024年度には水素エネルギーの設備なども導入する予定だ。

二色の浜工場での乾電池製造の様子

乾電池の製品特性に合わせた自動化推進

 二色の浜工場は2003年12月に三洋電機の太陽電池パネル生産拠点として設立された生産拠点だ。これまでパナソニック エナジーの乾電池生産は守口工場(大阪府守口市)が担ってきた。しかし工場の老朽化が進行したことなどが理由で、乾電池の生産拠点を同工場から移し、2023年4月に二色の浜工場で製造を開始した。現在の生産能力は単1〜単4電池を合わせて月間で最大約4800万個だとする。なお、この数値自体は守口工場時代の生産能力と大きく変わりはない。


二色の浜工場の外観[クリックして拡大]

 「世界一長持ちする単3アルカリ乾電池」としてギネス世界記録に認定された「EVOLTA NEO」や「EVOLTA」、その他のアルカリ電池の生産を担う。敷地面積は約4万2000m2で、従業員数は約300人となっている。


二色の浜工場の概要[クリックして拡大] 出所:パナソニック エナジー

「EVOLTA NEO」の製品パッケージ外観。包装は後述の「エシカルパッケージ」によるもの[クリックして拡大]

 二色の浜工場では守口工場と比較して、自動化設備や機器などの導入による工場のスマート化を推進している。AGF(無人搬送フォークリフト)や天井搬送システム、自動倉庫などで棟内外の搬送工程を自動化しており、また、守口工場時代とは異なる生産レイアウトを採用した。

 これまで電池生産後の梱包や出荷工程を人間中心で回していたことを課題視したもので、パナソニックエナジー 常務執行役員 事業部長 エナジーデバイス事業部の奥長秀介氏は、「工場での電池生産後の出荷までの工程の内、80%を自動化した」と説明する。体積の小さい乾電池製品に、いかに傷や衝撃を与えずに自動搬送するかを工夫したという。

取材で撮影した乾電池生産工程の写真。乾電池を次工程に高速かつ安全に送り出す装置などが随所で見られた[クリックして拡大]
導入した自動倉庫(左)の様子とAGFの外観(右)[クリックして拡大]

 従業員のエンゲージメント向上については工場を清潔で安全なものにする他、オフィスデザインの面でも工夫を取り入れた。海が見える開放的な空間設計にしており、従業員が創造性を発揮しつつ交流しやすいオフィスに仕上げている。さらに「地域共生工場」を掲げて、主に小学生を対象とした乾電池生産の工程説明エリアや「手作り乾電池教室」といった体験エリアなどを設けて、一般公開する予定だ。

手作り乾電池教室のイメージ(左)と手作り乾電池を体験できる学習キット(右)[クリックして拡大]

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