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Stratasysが3Dプリンタ向けの新PP材料を商品化、柔軟性がある部品の生産に対応:材料技術
Stratasysは、2024年10〜12月期に発売予定の3Dプリンタ「H350」に対応する新材料として、「SAFポリプロピレン」を製品化すると発表した。PBF方式での造形において、優れたコスト効率とパーツ品質を発揮する。
Stratasys(ストラタシス)は2024年7月3日、同年第4四半期(10〜12月期)に発売予定の3Dプリンタ「H350」に対応する新材料として、「SAFポリプロピレン(PP)」を製品化すると発表した。
SAF PPは、BASFのブランド「Forward AM」との協業により開発した材料だ。レーザーあるいは電子ビームを金属粉末に照射して造形するPBF(パウダーベッドフュージョン)方式での造形において、高いコスト効率とパーツ品質を発揮する。
また、ネスティング能力に優れ、ターンアラウンドタイムが36時間以内のため、ユーザーは一度の造形で数百の部品を製造可能だ。これにより、従来の材料と比較して低コストながら、外観の美しさや品質の高さを維持したまま大量生産できる。
SAF PPは、耐久性、耐薬品性、柔軟性が高く、自動車、医療、コンシューマースポーツなど幅広い用途に対応する。軽量で水や空気を通さないので、品質の高い複雑な部品を製造するのに適している。柔軟性があるタイトパイプやセンサーマウントなど形状が複雑な部品も、高剛性で欠陥なく生産できる。
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