JUKIが小型金属部品に特化した外観検査機を披露、設置面積は従来比3分の1:ものづくり ワールド[東京]2024
JUKIは、「第36回 ものづくり ワールド[東京]」内の「第2回 ものづくりODM/EMS展」において、金属部品のキズやへこみなどの各種不良を自動検出する小型外観検査機「SE100」を披露した。
JUKIは、「第36回 ものづくり ワールド[東京]」(2024年6月19〜21日、東京ビッグサイト)内の「第2回 ものづくりODM/EMS展」において、金属部品のキズやへこみなどの各種不良を自動検出する小型外観検査機「SE100」を披露した。
SE100は、15cm角以内の多種多様な金属部品のキズ、打痕、欠け、巣穴、サビ、多肉など各種の不良検査を、2D検査で1秒、2D+3D検査であれば2.4秒で行える外観検査機である。高解像度の白黒のCMOSカメラと、高輝度白色3段LED照明+同軸照明を組み合わせて、11.5μm(オプションで5.75μmも選択可能)レンズによって鮮明な画像を撮像することで高速検査を実現している。
SE100の最大の特徴は設置面積が極めて小さいことだ。外形寸法は幅600×奥行き700×高さ1620mm、重量は210kgで、工場内のライン構成を変更することなく追加で設置しやすい。
JUKIは2021年12月に、同社初の金属部品向け外観検査機となる「SE1000」を発表している。SE1000は、最大で幅600×奥行き590×高さ300mmの金属部品の検査が可能な一方で、その分だけ装置の外形寸法も大きかった。ただし、工場における外観検査の数量は小型金属部品が圧倒的に多い。SE100は、高い評価を得ているSE1000の検査技術を踏襲しつつ、小型金属部品の検査に焦点を当てて開発した製品となる。SE100はSE1000と比べて設置面積が約3分の1となり、価格も半額以下の800万円(税別)で導入しやすくなっている。
同社は工業用ミシンや表面実装機で知られるが、2015年からそれらのモノづくり技術をベースにした受託開発/製造事業も行っている。この受託開発/製造事業では、不具合のない状態で製品を出荷するための検査ソリューション開発も重要になってくる。そういった内製の検査ソリューションを外観検査機として外販可能な製品に仕立てのがSE1000だった。今回の限られたスペースでも設置可能なSE100の投入により、外観検査機事業の拡大を進めたい考えだ。
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