丸紅は2024年6月17日、石油由来原料とバイオ原料の同時処理を行うCo-processing製法で製造されたSAF(Sustainable Aviation Fuel、持続可能な航空燃料)の日本市場への供給を開始したと発表した。
韓国の石油精製会社であるHD Hyundai Oilbankから同社製油所で生産された植物油(廃食用油)由来のSAFを調達。丸紅の完全子会社である丸紅エネックスの千葉ターミナルで全日本空輸向けに供給した。Co-processing製法によるSAFの供給は「日本で初めて」(丸紅)だという。
Co-processing製法は、既存の製油所の石油精製設備に石油由来原料と植物油(廃食用油)などのバイオ原料を混ぜ合わせて投入し、一部がバイオ由来の石油製品を製造する手法だ。大規模な改修工事を行うことなく既存設備が使えるため設備投資が抑えられる。また、短期間でSAFの製造を開始できるため、新設するSAFの生産設備が稼働、普及するまでの移行期間における有効な製法として期待されているという。
航空業界ではCO2排出削減が課題となっており、国際民間航空機関(ICAO)は、各航空会社が決められた排出枠を超えてCO2を排出した場合に必要量の排出枠を購入してオフセットする義務を課している。SAFの活用はCO2排出削減の有効な手段として期待されており、日本では政府が2030年に航空燃料でのSAF混合率を10%に引き上げることを目指している。
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