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フォーミュラEの航空貨物にSAFを初採用、ベルリン上海間のフライトで:脱炭素
フォーミュラEとDHLはドイツ ベルリンから中国 上海への航空貨物の輸送にSAFを使用した。
フォーミュラEとDHLは2024年5月23日、ドイツ ベルリンから中国 上海への航空貨物の輸送にSAF(持続可能な航空燃料)を使用したと発表した。SAFによって、チームや選手権の貨物257トンが輸送された。航空燃料の灯油と比べて、温室効果ガスの排出を80%削減したとしている。
ベルリンから上海への輸送に利用したのは、DHLの輸送サービス「GoGreen Plus」だ。3機の航空機で6000マイルを超えるフライトをこなした。
SAFは使用済みの食用油や生ごみなどの廃棄物から生成される。DHLはブック&クレームシステム(エネルギー自体の価値と環境属性を切り離し、環境属性のみを証書化して取引する手法。グリーン電力と類似した方式)によるインセットアプローチを採用し、排出源を直接削減したという。
フォーミュラEとDHLは、陸上と海上の輸送における持続可能なバイオ燃料の最適化や、シーズン中のレースの効率的な地域集中化などに取り組んでいる。DHLはマルチモーダル輸送システムを活用して、輸送の持続可能性を追求しながらフォーミュラEの運営を支援している。
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