検索
ニュース

多画面化が進む自動車コックピット、Qt GroupがHMI開発の効率化を提案人とくるまのテクノロジー展2024

Qt Groupは、「人とくるまのテクノロジー展 2024 YOKOHAMA」において、大型ディスプレイの採用が進む自動車コックピットの各画面を同社のUI開発プラットフォーム「Qt」で開発/管理できることを紹介した。

Share
Tweet
LINE
Hatena

 Qt Groupは、「人とくるまのテクノロジー展 2024 YOKOHAMA」(2024年5月22〜24日、パシフィコ横浜)において、大型ディスプレイの採用が進む自動車コックピットの各画面を同社のUI開発プラットフォーム「Qt」で開発/管理できることを紹介した。

 展示では、Qtを用いて開発したHMI(Human Machine Interface)を、デジタルメーター、IVI(車載情報機器)、カーエアコンなどHVACシステムという3つの画面に適用した事例を紹介した。これら3つの画面は、1個のプロセッサ上で制御されており、OSはデジタルメーターがQNX、IVIとHVACシステムはAndroid Automotiveとなっている。「クロスプラットフォーム開発を特徴とするQt上で開発したHMIは、車載向けであればQNXやAndroid Automotive、車載LinuxであるAGLなど全てのOSに実装できる」(Qt Groupの説明員)。

ハンドルの後方にあるのがデジタルメーターで、その右側にIVIとHVACシステムの画面がある
ハンドルの後方にあるのがデジタルメーターで、その右側にIVIとHVACシステムの画面がある。これらは1個のプロセッサで動作しており、HMIは全てQtで開発している[クリックで拡大]

 また、同じHMIを適用しようとすると、QNXがネイティブで3Dグラフィックスに対応するのに対し、Android Automotiveが2Dまでしか対応しないことが課題になる。Qtの場合は、Qt側で対応することによりAndroid Automotiveでの3Dグラフィックス表示も可能になっている。

 組み込み用途で用いられている長期サポート(LTS)版の「Qt 6.2 LTS」や「Qt 6.5 LTS」を含めた最新版のQtでは、「Blender」や「Figma」、Adobe製品などのCGデザインツールと連携するブリッジ機能を搭載しており、デザイナーがHMIの制御設計を直接行えることもアピールした。従来は、デザイナーがHMIのグラフィックスを含めた設計を行った後、プログラマーがデザイナーの指示する仕様に合わせてHMIの制御プログラミングを行う必要があった。「ブリッジ機能を用いれば、デザイナーはノーコード開発環境を用いるかのようにHMIの制御設計を行えるようになる。ワークフローが簡略化されて、HMI開発の手戻りなども削減できる」(同説明員)という。

⇒その他の「組み込み開発ニュース」の記事はこちら

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ページトップに戻る