「Qt」がメジャーバージョンアップ、「Qt 6.0」を発表:組み込み開発ニュース
The Qt Companyは、ソフトウェア開発プラットフォーム「Qt」のメジャーバージョン「Qt 6.0」を発表した。将来の統一基盤となるよう、生産性を向上するツールやAPIの搭載、プログラミング言語の改善など、再構築がなされている。
The Qt Companyは2020年12月9日、ソフトウェア開発プラットフォーム「Qt」のメジャーバージョン「Qt 6.0」を発表した。
Qt6.0の機能は、「Productivity Platform for the Future(将来に向けた生産性プラットフォーム)」「Next-Generation User Experiences(次世代ユーザーエクスペリエンス)」「Limitless Scalability(無制限のスケーラビリティ)」を3本柱に掲げている。
Productivity Platform for the Futureでは、IoT(モノのインターネット)ソフトウェア要件の増加に対して、ソフトウェア開発者は増えていないことから、そのギャップを埋めるべく、生産性を向上するツールやAPIを搭載している。
Next-Generation User Experiencesとしては、新しいグラフィックアーキテクチャを取り入れ、プログラミング言語を改善したことで、パワフルながら柔軟性が高まった。また、Qt内ツールの統合により、開発者、デザイナー双方にとって使いやすいプラットフォームになっている。
Limitless Scalabilityとしては、マイクロコントローラーからスーパーコンピュータまで、あらゆるハードウェアやオペレーティングシステムにおいて、さらにはオペレーティングシステムのないベアメタルでも同一のコードを使用できるようにした。
The Qt Companyは、これらの3本柱に基づいて、ソフトウェアの設計と開発のワンストップショップを提供する。
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