MCU向けのQtがμITRON4.0に対応、最新のバージョン1.3もリリース:組み込み開発ニュース
The Qt Companyは、マイコン(MCU)上で動作するユーザーインタフェース(UI)を開発するためのグラフィックスツールキット「Qt for MCUs」が、日本の製造業で広く利用されているリアルタイムOSカーネル仕様「μITRON4.0」に対応したと発表した。
The Qt Companyは2020年7月7日、マイコン(MCU)上で動作するユーザーインタフェース(UI)を開発するためのグラフィックスツールキット「Qt for MCUs」が、日本の製造業で広く利用されているリアルタイムOSカーネル仕様「μITRON4.0」に対応したと発表した。
μITRON4.0ベースのリアルタイムOSを組み込んだMCUを用いて、Qt for MCUsのポーティングおよびデモ実行に向けたカスタマイズを行い、既に公開されている「FreeRTOS」版と同等のパフォーマンスの実現を確認している。「日本の製造業にQt for MCUsを活用してもらえるように対応を進めた」(The Qt Company)という。
また、同年7月8日(現地時間)にはQt for MCUsの最新バージョンとなる「Qt for MCUs 1.3」もリリースしている。Qt for MCUsは2019年12月にバージョン1.0をリリースした後、2020年4月に同1.1、同年6月に同1.2と短期間のうちに更新し機能向上を続けている。
Qt for MCUs 1.3では、MCU向けの軽量グラフィックスエンジン「Qt Quick Ultralite」向けに記述されたQML(Qt Modeling Language)コードについて、Qt5シリーズで最後のリリースかつ長期サポート版となる「Qt 5.15 LTS」との互換性を確保したという。
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