ローエンドデバイスにスマホのようなユーザー体験をもたらすグラフィックスツール:組み込み開発ニュース
The Qt Companyは、MCU上でUIを開発できるグラフィックスツールキット「Qt for MCUs 1.0」を発表した。コネクテッドカー、ウェアラブルデバイス、産業・医療分野向けに、安価で直感性や操作性に優れたアプリケーションが開発できる。
The Qt Companyは2019年12月10日、マイクロコントローラ(MCU)上でユーザーインタフェース(UI)開発ができるグラフィックスツールキット「Qt for MCUs 1.0」を発表した。コネクテッドカー、ウェアラブルデバイス、スマートホーム、産業・医療分野向けに、安価で直感性や操作性に優れたアプリケーションが開発できる。
Qt for MCUs 1.0は、MCU内蔵メモリに搭載可能で、RTOS(リアルタイムOS)を用いないベアメタルで開発できる。グラフィックエンジン「Qt Quick Ultralite」と「Qt Quick」間で機能やQMLのアセットを再利用できるほか、統合開発環境(IDE)「Qt Creator 4.11」にも対応する。
ARMアーキテクチャ間でソースコードを再利用し、QMLやQtツールを使うことで、高速かつ再現性の高い方法でQtアプリケーションを開発できる。端末の種類によらず、開発中のソフトウェアプロジェクトでQtを使用可能になるほか、単一のフレームワークとツールセットを使用することで、ハードウェアやメンテナンスのコストを削減できる。ローエンドのハードウェアに対しても、スマートフォンと同等のエンゲージメント性と直感性を備えたユーザーエクスペリエンスを提供する。
既に提供を開始しており、Webサイトから購入、評価、ダウンロードが可能だ。
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