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「UIあるところにQtあり」、The Qt Companyが組み込み機器分野への展開を強化組み込み開発ニュース(1/2 ページ)

The Qt Companyが東京都内で事業方針説明会を開催。同社のUI開発フレームワーク「Qt」について、既に多くの実績があるPCアプリケーションに加えて、自動車やオートメーション機器、スマート家電、医療機器といった組み込み機器分野への展開を強化していく方針を打ち出した。

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The Qt Companyのユアペッカ・ニエミ氏
The Qt Companyのユアペッカ・ニエミ氏

 The Qt Companyは2017年8月31日、東京都内で事業方針説明会を開催。同社のC++言語を用いたUI(ユーザーインタフェース)開発フレームワーク「Qt」について、既に多くの実績があるPCアプリケーションに加えて、自動車やオートメーション機器、スマート家電、医療機器といった組み込み機器分野への展開を強化していく方針を打ち出した。

 The Qt Company エグゼクティブバイスプレジデントのユアペッカ・ニエミ(Juhapekka Niemi)氏は「スマートフォンによって広く浸透したタッチパネルを用いたUIは、今後さまざまな機器に搭載されるようになる。そういったUIを開発する上では、ソースコードを公開し、ユーザー数が100万人以上いるQtが最適だ」と強調する。

 QtがUI開発に最適な理由として挙げるのが、さまざまなOSへの対応だ。PCアプリケーションが用いられるWindowsやMac OS X、デスクトップ向けLinux、UNIXに加えて、モバイル機器向けのAndroidとiOS、組み込み機器向けの組み込みLinuxとWindows Embedded、リアルタイムOSであるQNXやVxWorks、INTEGRITY、総計11ものOSをサポートしている。

「Qt」がサポートする11のOS
「Qt」がサポートする11のOS(クリックで拡大) 出典:The Qt Company

 これにより、QtでUIのプログラムを開発してしまえば、PCからモバイル機器、スマート家電、カーナビゲーションシステムなど複数の機器に、同じUIを展開することが可能になる。それぞれの機器やOSに合わせて開発をくりかえす必要が無いので、優れたUIを短期間でさまざまな機器に展開できる。「UIあるところにQtあり」(ニエミ氏)というほどに、UI開発で重要な役割を果たしているのだ。

 また、2017年1月に発表した「Qt 5.8」では、プロセッサのリソースが限られるIoT(モノのインターネット)デバイスにも対応できるよう、UIの大幅な軽量化が可能な機能「Qt Lite」を投入した(関連記事:大型アップデートを果たした「Qt 5.8」、新機能は「8割の軽量化が可能」)。これとは逆に、組み込み機器であっても充実したグラフィックス表現を望む顧客に対応するため、3DグラフィックスやVR(仮想現実)関連の機能も充実させている。

 The Qt Companyの売上高は2016年が3240万ユーロ(約42億円)で、前年比で20%成長したという。現時点では、PCアプリケーションの顧客からの比率が60〜70%を占めているが、現行の開発プロジェクト数では自動車をはじめとする組み込み機器が半分を占めている。「将来的にはPCアプリケーションと組み込み機器で50%ずつの比率になるだろう」(ニエミ氏)。

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