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「UIあるところにQtあり」、The Qt Companyが組み込み機器分野への展開を強化:組み込み開発ニュース(2/2 ページ)
The Qt Companyが東京都内で事業方針説明会を開催。同社のUI開発フレームワーク「Qt」について、既に多くの実績があるPCアプリケーションに加えて、自動車やオートメーション機器、スマート家電、医療機器といった組み込み機器分野への展開を強化していく方針を打ち出した。
「日本でNo.1のUI開発フレームワーク企業へ」
The Qt Company ジャパンオフィス代表のダン・クー氏は「日本国内では、世界全体と比べると組み込み機器の顧客の比率が高い。これは、自動車やオートメーション機器、複合機、医療機器などの分野で有力な企業が数多く存在するためだ。The Qt Company全体にとっても、日本は今や最も重要な市場になりつつある」と語る。
同社のジャパンオフィスが2016年7月に設立されてから約1年が経過したこともあり、今後の日本国内での事業展開はジャパンオフィスが主導していく方針だ。クー氏は「販売代理店であるアイ・エス・ビー、SRAとの協力関係も深めていくが、主要顧客のサポートや、Qtを取り巻くエコシステムの構築などで積極的に関わっていきたい。2021年には、売上高を現在の3倍にすることが目標だ。アプリケーション・UI開発フレームワーク企業として、日本でNo.1としてのポジションを確立するべく活動を進めていく」と意気込む。
またビジネスモデルとして、UIの開発時に用いる「デベロッパーライセンス」、開発したUIを製品に組み込んで販売する際に用いる「ディストリビューションライセンス」に加えて、Qtを用いたUI開発を支援する「コンサルティング&サービス」や、継続的なサポートを提供する「サポート&メンテナンス」にも注力していくという。
説明会の会場では、さまざまなOSやプロセッサで動作するQtのUIを展示した。車載情報機器向けLinuxであるAutomotive Grade Linuxで動作するQtのUI(左)。Android WatchのUIにもQtが利用されている(右)(クリックで拡大)
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