ニュース
川崎重工とダイムラートラックが欧州向け液化水素ステーションで協力:脱炭素
川崎重工とダイムラー・トラックはドイツ向けの液化水素サプライチェーンの確立と欧州における液化水素ステーションの輸送網の構築に向けた協力の覚書を締結した。
川崎重工とダイムラー・トラックは2024年6月12日、ドイツ向けの液化水素サプライチェーンの確立と欧州における液化水素ステーションの輸送網の構築に向けた協力の覚書を締結したと発表した。道路貨物輸送における液化水素の利用拡大を目指す。
2030年代早期に欧州で液化水素サプライチェーンを確立する。液化水素ターミナルや海上輸送、大規模な液体水素貯蔵についても検討していく。
川崎重工 取締役会長の金花芳則氏は「川崎重工は、水素キャリアとしての液化水素に着目し、水素液化機、液化水素運搬船、液化水素貯蔵タンクなど、国際的な水素サプライチェーンの構築に必要なあらゆるコア技術を開発している。世界最大の需要がある欧州の水素市場において、ドイツでの取り組みは極めて重要だ。ダイムラー・トラックは液化水素を燃料とする次世代燃料電池トラックの開発を進めており、液化水素市場の先駆けになるだろう」とコメントした。
ダイムラー・トラック 取締役会会長兼 CEO マーティン・ダウム氏は「ダイムラー・トラックは、持続可能な道路貨物輸送を推進しており、水素は脱炭素化の重要な役割を果たす。われわれは適切にトラックやバスを提供することに加えて、グリーン水素のサプライチェーンを構築し、それによってコストを下げることが極めて重要だと考えている。川崎重工との取り組みは、経済的な価格でグリーン水素の提供を実現しようとしているわれわれの活動をより一層強化する」と述べた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 排出削減の経済合理性や効果を見極める、日本郵船グループの取り組み
日本郵船グループで技術開発を担うMTIでもGHG削減への取り組みにおける優先度は高い。国際海運におけるGHG排出削減の動向と、その動向が海運事業に及ぼすインパクト、そして、GHG削減を進める開発で重要となる「GHG排出量のシミュレーション」と「排出削減効果の推定技術」について紹介する。 - バイオ燃料や水素、合成燃料の市場規模は2050年に236兆円
富士経済はカーボンニュートラル燃料の市場調査結果を発表した。 - 日産の燃料電池が定置用でトライアル開始、使用するバイオ燃料も確保
日産自動車はバイオエタノールから取り出した水素で発電する定置型の燃料電池システムを開発し、栃木工場でトライアル運用を開始した。使用するバイオエタノールは、スタートアップ企業のバイネックスと協業して確保する。 - 吊上げ性能25トンのフル電動クレーンをマンション建設に採用
長谷工コーポレーションはフル電動ラフテレーンクレーンを新築マンション建設に採用したと発表した。 - 自転車やドローンにも燃料電池を、樹脂セパレーターの成形を2秒で
トヨタ車体は、乗用車よりも小型なモビリティ向けに燃料電池(FC)のセパレーターを開発中だ。 - 自動車メーカー3社でエンジンの重要性を宣言、仕入先へのメッセージ
トヨタ自動車とSUBARU、マツダはカーボンニュートラルの実現と電動化に対応したエンジン開発の方針を発表した。