長谷工コーポレーションは2024年6月7日、フル電動ラフテレーンクレーンを新築マンション建設に採用したと発表した。
採用したのは、協力会社である揚重工事の千代一工業が保有するタダノ製の「EVOLT eGR-250N」だ。バッテリー式のフル電動で、「世界で初めて吊上げ性能25トンクラスのフル電動化を実現した」(タダノ)という。EVOLT eGR-250Nをマンション建設現場に導入するのは「国内初」(タダノ)だとしている。横浜市内の新築マンション建設現場2カ所に採用した。
ディーゼルエンジンの従来モデルでは、走行や揚重作業で年間平均27トンのCO2を排出していたが、フル電動化によりCO2がゼロになる。
EVOLT eGR-250NはCHAdeMOによる急速充電とAC200Vの普通充電に対応している。充電にかかる時間は、出力70kW以上の急速充電で2.5時間、普通充電で8時間だ。クレーン作業のみの場合は11時間の稼働が可能だ。走行のみの場合は70kmを走行できる。急速充電、普通充電ともにプラグイン状態での作業にも対応した。
長谷工コーポレーションは2021年12月に策定した気候変動対応方針に基づき、電動建設機械を積極的に活用している。建設現場での再生可能エネルギーの活用や環境配慮型コンクリートの普及などにも取り組む。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 建設機械をStarlinkで遠隔操縦、市販建機の8割以上に対応可能
NTTコミュニケーションズとARAVは建設機械向けの遠隔操縦/自動化ソリューションの提供を開始した。 - 建機の脱炭素は電池駆動だけじゃない、燃料電池や有線電動に加え代替燃料も
「第6回 建設・測量生産性向上展(CSPI-EXPO 2024)」において、カーボンニュートラルに対応する建設機械が多数展示された。大容量のリチウムイオン電池を搭載するフル電動建機だけでなく、燃料電池や有線電動、代替燃料などの提案も行われていた。 - 2024年度にバッテリー式油圧ショベルなどのGX建設機械を導入開始
大林組は、国内建設工事において、20t級のバッテリー式油圧ショベルや25t吊のバッテリー式移動式クレーン、30kVAの水素混焼式発電機といったGX建設機械を2024年度に導入開始する。 - 1口の最大出力350kWの超急速充電器を開発、2025年秋の設置開始目指す
e-Mobility Powerと東光高岳は次世代の超急速充電器の共同開発に合意した。 - 日野自が描く駆動用バッテリーの“標準”、定置用も前提に設計
日野自動車は「人とくるまのテクノロジー展 2024 YOKOHAMA」において、電動車の駆動用バッテリー向け「標準電池パック」のイメージモデルを出展した。 - 自転車やドローンにも燃料電池を、樹脂セパレーターの成形を2秒で
トヨタ車体は、乗用車よりも小型なモビリティ向けに燃料電池(FC)のセパレーターを開発中だ。