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市販のコンタクトレンズに搭載できる、複合マイクロメッシュ電極を開発医療機器ニュース

早稲田大学は、市販のコンタクトレンズに搭載できる、透明で柔らかい複合マイクロメッシュ電極を開発した。80%以上の透過性を有するほか、網膜の局所的な応答を計測する複数点同時網膜電位計測が可能になった。

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 早稲田大学は2024年5月8日、市販のコンタクトレンズに搭載できる、透明で柔らかい複合マイクロメッシュ電極を開発したと発表した。網膜の局所的な応答を計測する複数点同時網膜電位計測が可能になり、緑内障や網膜色素変性症に伴う盲点評価につながる可能性が示唆される。山口大学との共同研究による成果だ。

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透明で柔らかいマイクロ電極による多電極網膜電位計測システム[クリックで拡大] 出所:早稲田大学

 研究ではまず、透明で柔らかい金属電極にするため、電気メッキで作った金を用いて、形状や幅、ユニット幅の異なる複数のマイクロメッシュ電極を作製。透過性と抵抗値変化を評価したところ、どの電極も80%以上の透過性を示したが、抵抗値変化はserpentineとhexagonの形状のみ10%歪に耐え得ることを確認した。

 また、研究グループが開発した導電性高分子を用いた電極技術により、市販のコンタクトレンズ上に同電極を貼付して角膜とのコンタクトを可能にした。この複合化したマイクロメッシュ電極でも、80%以上の透過性を示している。

 最終的に多点電極によるERG(多電極網膜電図)計測を可能にするため、網膜電図(ERG)計測に用いる以外のリード線を絶縁化する方法を検討。電極全体の両端に直流電流を印加し、リード線に流れる電流と金マイクロメッシュ上に新たに流れる電流値を電極構造で制御することで、メッシュ電極の導電性高分子のみ導電性を維持することに成功した。

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主な成果[クリックで拡大] 出所:早稲田大学

 ヒト由来角膜上皮細胞を用いた実験では、開発した電極上で95%が生存することを確認でき、十分な安全性が示された。また、複合マイクロメッシュ電極を7電極にアレイ化した多電極レンズをウサギの目に装着したところ、各電極からERGを多点計測できることを確認した。

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安全性および多点電極ERG計測評価。上図:各電極における細胞生存率評価と蛍光顕微鏡評価、下図:ウサギを用いた多電極ERG計測結果[クリックで拡大] 出所:早稲田大学

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