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正診率約82%の早期胃がん深達度AI診断支援システムを発表:医療機器ニュース
両備システムズと岡山大学は、内視鏡検査の画像を元にAIを用いて早期胃がんの深達度を判定する「早期胃がん深達度AI診断支援システム」を開発した。深達度を正診率約82%で判定し、医師の診断を補助する。
両備システムズと岡山大学は2024年4月24日、内視鏡検査の画像を元に、AI(人工知能)を用いて早期胃がんの深達度を判定する「早期胃がん深達度AI診断支援システム」を開発したと発表した。
同システムは、オージー技研によって、同年3月5日付で医療機器製造販売承認を取得している。両備システムズによると、AIを活用して早期胃がんの深達度診断を支援する医療機器が承認されたのは日本初だ。
同システムは、深達度を正診率約82%で判定し、医師の診断を補助する。製品開発に当たっては、医師にとって分かりやすく実際の診断でも利用できるような画像を選別し、さまざまな条件下での内視鏡検査に対応できるよう、1枚の画像から多様なパターンの画像を作成してAIに読み込ませた。
両備システムズと岡山大学は、大腸や胆道、膵臓分野でのAI画像診断支援や、内視鏡染色検査へのAI技術活用など、他部位の疾患についても製品化に向けた研究を進めていく。
早期胃がんの深達度の判定は難しく、正診率は専門医でも72%ほどだ。胃がんの治療法を内視鏡か外科手術かで選択する際は、腫瘍の進行度を正確に診断する必要があるが、診断精度はまだ十分とは言えない状況にある。両者はこうした背景から同システムを開発した。
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