ホログラフィーを利用したコンタクトレンズディスプレイ技術開発が採択:医療機器ニュース
東京農工大学らは、情報通信研究機構の公募事業に採択され、「ホログラフィックコンタクトレンズディスプレイを実現する革新的基盤技術の開発」をテーマとした研究開発に共同で取り組む。
東京農工大学は2024年4月15日、徳島大学、早稲田大学、シチズンファインデバイス、シードと共に、「革新的情報通信技術(Beyond 5G<6G>)基金事業 要素技術・シーズ創出型プログラム」に関する情報通信研究機構(NICT)の公募事業に採択されたと発表した。2024〜2026年度に「ホログラフィックコンタクトレンズディスプレイを実現する革新的基盤技術の開発」をテーマとした研究開発に共同で取り組む。
目標とするのは、次世代AR(拡張現実)技術のための、目に直接装着できるコンタクトレンズディスプレイ開発だ。研究では、ホログラフィックコンタクトレンズディスプレイ技術の最も基盤となるコア技術の開発を予定している。ホログラフィー技術により自然な目のピント合わせを可能にするという独自の原理を用いて、コンタクトレンズ内の表示デバイスに目がピント合わせできないという、コンタクトレンズディスプレイの根本的な課題解決に取り組む。
また、将来の幅広い普及に対応するため、ソフトコンタクトレンズと同程度の小型化、薄型化、高い酸素透過率と含水性の両立を目指す、ウェットデバイス技術の開発も推進する。ホログラフィックコンタクトレンズディスプレイが可能になれば、サイバー空間と目を直接接続することができ、必要な情報をいつでも入手できるになる。
東京農工大学および徳島大学が像形成技術を、シチズンファインデバイスが空間光変調器を、早稲田大学が電子デバイス技術を、シードがコンタクトレンズ内蔵技術を、徳島大学が視機能への影響評価の開発をそれぞれ担う。
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