ニュース
安川電機のAI機能搭載産業用ロボットがウインドリバーの組み込みLinuxを採用:組み込み採用事例
ウインドリバーの組み込みLinuxプラットフォーム「Wind River Linux」が、安川電機の産業用ロボット「MOTOMAN NEXT」に採用された。自律制御ユニットに実装し、「NVIDIA Jetson Orin」上で動くLinuxを商用化する。
ウインドリバー(Wind River Systems)は2024年4月18日、同社の組み込みLinuxプラットフォーム「Wind River Linux」が、安川電機の産業用ロボット「MOTOMAN NEXT」に採用されたと発表した。同ロボットには、エッジAI(人工知能)、組み込み、ロボットアプリケーション向けプラットフォーム「NVIDIA Jetson Orin」も搭載する。
Wind River Linuxは、特定のユースケース向けにカスタマイズされたLinuxオペレーティングシステム上で動作する。堅牢で信頼性が高く、セキュアな組み込みソリューションの開発、デプロイ、運用を支援し、ミッションクリティカルなアプリケーションに求められる高い安定性とセキュリティ、リアルタイムパフォーマンスのニーズに対応する。
MOTOMAN NEXTの自律制御ユニットにWind River Linuxを実装することで、NVIDIA Jetson Orin上で動くLinuxの商用化につなげている。MOTOMAN NEXTは高度なAI機能を搭載し、自律的に環境への適応と判断ができ、不確定要素の多い困難な作業を処理できる。これまで人間の感覚や判断能力を必要とし、自動化が難しかった新たな応用分野での自動化を推進する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- NVIDIAの新アーキテクチャ「Blackwell」は生成AI特化、汎用人型ロボットにも適用
NVIDIAは「GTC 2024」において、新たなGPUアーキテクチャ「Blackwell」を発表。AI処理性能で前世代アーキテクチャ「Hopper」の5倍となる20PFLOPSを達成。生成AIの処理性能向上にも注力しており、Hopperと比べて学習で4倍、推論実行で30倍、消費電力当たりの処理性能で25倍となっている。 - アイキューブメカトロニクスで“課題解決型”提案を加速、安川電機の2024年
安川電機は市場環境の変化に対応した堅実な対応を進めながらも、新たなモノづくりコンセプトを実現するさまざまな製品やソリューションを次々に形にしている。2024年の見通しについて安川電機 代表取締役社長の小川昌寛氏に話を聞いた。 - 落としても自分で拾う、内蔵カメラを持つ新型協働ロボットが野菜をカゴ詰め
安川電機は「第8回 スマート工場EXPO」において、「MOTOMAN NEXTシリーズ」の協働ロボットを参考出展し、野菜のカゴ詰めデモンストレーションを披露した。 - オムロンが産業用エッジ開発にクラウドネイティブプラットフォームを採用
オムロンは、産業用エッジプラットフォームの開発に「Wind River Studio」を採用した。クラウドネイティブ開発プラットフォームとして活用し、ソフトウェア開発の効率化を目指す。 - インテルから独立したウインドリバー、今度はアプティブが4900億円で買収
米国の大手ティア1サプライヤーであるアプティブ(Aptiv)は、リアルタイムOS「VxWorks」や組み込みLinux「Wind River Linux」などのベンダーであるウインドリバー(Wind River Systems)を買収すると発表した。買収金額は43億米ドル(約4900億円)。 - 組み込みLinuxと「Yocto」の深イイ関係、そしてクラウドネイティブへ
ウインドリバーがIoT時代を迎えて需要が拡大する組み込みLinuxとその最新技術について説明。本稿では、同社の小宮山岳夫氏の説明内容に基づき、組み込み機器の定義や、リアルタイムOSと組み込みLinuxの使い分け、IT機器向けと組み込み機器向けのLinuxの違い、組み込みLinuxで存在感を増す「Yocto」、クラウドネイティブと関係性などについて解説する。