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DMG森精機が新たなHMIを開発、高い操作性とDXで製造現場の生産性向上工作機械(2/2 ページ)

DMG森精機は同社の伊賀事業所(三重県伊賀市)を報道陣に公開し、直近の工程集約への取り組みや最新製品について紹介した。その中から、DMG森精機が新たなHMI(ヒューマンマシンインタフェース)として発表した「ERGOline X with CELOS X」について取り上げる。

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ソフトウェアで製造現場のDXを推進、加工準備なども効率化


5軸制御横形マシニングセンタ「INH 63」に搭載された「ERGOline X with CELOS X」[クリックで拡大]

 操作にはクレジットカードサイズのカードキーを使用する。オペレーターのスキルに応じたアクセスレベルを個別に設定できる。

 サイバーセキュリティ対策も強化。ホワイトリストに登録されたプログラムのみ実行を許可するホワイトリスト型セキュリティ対策ソフトにより、不正プログラムの実行を防止する。機械を安全にネットワークに接続し、サイバー攻撃によるトラブルや事故を防ぐ。

 独立型のIPCを搭載しており、ハードウェアとしての性能も大幅に向上している。

 ソフトウェアであるCELOS Xは、加工準備、生産、モニタリング、アフターサービスを行うアプリケーションが実装でき、スマートフォンのようにシステムをアップデートすることで、製品購入後にリリースされたアプリケーションも利用できる。MXを掲げるDMG森精機は豊富なアプリケーションを準備し、製造現場のDXを後押ししようとしている。


DMG森精機の清田純洋氏

 清田氏は「ターニングセンタ、マシニングセンタを1つの機械で実現する複合化、5軸化を進めていくことで工程集約が実現できるが、結果として加工するためのNCプログラムが複雑になる。このプログラムを作れるエンジニアがなかなかいないため、CAMを使うことになるが、CAMの場合、われわれの工作機械に適切なポストに出力することが難しい。CELOS DYNAMICpostを使うことでCAMからNCプログラムを出してそのまま機械で加工できるようになる。加工の難易度が上がると干渉の事故も発生しやすくなるが、CELOS DYNAMICpostのシミュレーション機能によって干渉を未然に防ぐことができる」と話す。

 DMG MORI Messengerは、ネットワークを通じて機械の稼働状況をリアルタイムでモニタリングできるアプリケーションだ。

「ワークや工具の搬送の自動化も大事だが、切りくずを出している時間を長くする、つまりダウンタイムを減らすことも自動化の大きな要素だ。機械からオペレーターが離れた状態でも、機械のアラームが出るとすぐにスマートフォンやPCに通知してダウンタイムの削減に貢献する。われわれの事業所でユーザーの画面を見ながら問題解決をサポートすることも可能だ」(清田氏)

 社内ネットワークだけでなく、社外のWebサイトにもアクセスできる。例えば、購入した新しい治具の使い方が分からなくなった時に、事務所に戻って調べ直すのではなく、機械上から必要な情報にアクセスすることも可能だ。

「今回の機械では、プログラムごと、工具ごとに消費エネルギーを見ることができる。今後、発注元から加工に当たりCO2をどれだけ出すのか、電気料金はいくらかかるのかも問われるようになる。欧州ではもうそういった動きが出ている」(清田氏)

 5軸制御横形マシニングセンタ「INH 63/80」と複合加工機「NTX 500」「NZ-Platform」に搭載しており、今後全機種に展開予定となっている。

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