DMG森精機が5軸加工機浸透に向けトレーニング施設5カ所を新設、最初に浜松から:FAニュース
DMG森精機株は2023年4月26日、ユーザーや学生に対し5軸加工機での高度な加工のトレーニングを行う場として「DMG MORI ACADEMY 浜松」を開所した。
DMG森精機は2023年4月26日、ユーザーや学生に対し5軸加工機での高度な加工のトレーニングを行う場として「DMG MORI ACADEMY 浜松」を開所した。
DMG森精機では、5軸による先端加工の環境の普及を目指してさまざまな取り組みを進めている。これまでも若手技術者育成とユーザーのNC機械導入時の立ち上がりをスムーズにすることを目的として、東京都江東区、三重県伊賀市、愛知県名古屋市のDMG森精機の施設内で、機械加工や操作方法のスクールを開催してきた。
また、2018年に設立した「5軸加工研究会」では、DMG森精機の70周年に合わせて5軸加工機のスタンダード機である「DMU 50 3rd Generation」70機を無償で貸し出す取り組みなども実施。さらに、エンジニアを派遣して行う週末スクールを全国約200カ所で累計約2500回開催し、6000人以上に実機トレーニングの機会を提供してきた。
こうした動きをさらに拡大するために今回、2025年にかけて全国5カ所に新たに研修施設を新設することを決めた。その最初の施設として、「DMG MORI ACADEMY 浜松」を開所した。この後、2023年5月に金沢、8月に仙台、2024年に岡山、福岡と順次開所を予定している。
DMG森精機 専務執行役員でDMG森精機セールスアンドサービス 代表取締役社長の丹波優氏は「従来は、5軸加工機を持っていない企業では、東京、名古屋、伊賀などの拠点に来てもらう必要があったが『遠い』という声があった。そのため、ユーザーが多い地域でより近くトレーニングや使用体験が行える環境を作ることを考えた」と狙いについて述べている。
「DMG MORI ACADEMY 浜松」は、建物面積が680m2の2階建てとなっており、2階をオフィススペース、1階をスクールと機械スペースとしている。5軸加工機「DMU 50 3rd Generation」、複合加工機「NTX 1000 2nd Generation」など工作機械を複数台設置している。これらを「工程設計アドバイザー」「CELOS DYNAMICpost」などの周辺ソフトウェアを含めてトレーニングできるようにしている。また、デジタルトランスフォーメーション(DX)ツールである「TULIP」や「my DMG MORI」、新たに展開予定の生産スケジューラー「ISTOS」などの解説や使用指導なども行う予定だという。さらに、eラーニングと実習を組み合わせた「デジタルアカデミー」も導入し、これらの設備により「工程集約」「自動化」「DX」を推進していく考えだ。今後、同拠点では、5月から毎月2回ほど4〜5日間のプログラムを開催する予定だとしている。
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