DMG森精機が新たなHMIを開発、高い操作性とDXで製造現場の生産性向上:工作機械(1/2 ページ)
DMG森精機は同社の伊賀事業所(三重県伊賀市)を報道陣に公開し、直近の工程集約への取り組みや最新製品について紹介した。その中から、DMG森精機が新たなHMI(ヒューマンマシンインタフェース)として発表した「ERGOline X with CELOS X」について取り上げる。
DMG森精機は2024年4月17日、同社の伊賀事業所(三重県伊賀市)を報道陣に公開し、直近の工程集約への取り組みや最新製品について発表した。
本稿ではその中から、同月18日にDMG森精機が新たなHMI(ヒューマンマシンインタフェース)として発表した「ERGOline X with CELOS X」や同社が目指す製造現場のDX(デジタルトランスフォーメーション)に関する説明を紹介する。
使用シーンに応じて必要な機能を自動で表示するHYBRID BAR
ERGOline Xは、大画面タッチパネルを備えた操作盤で、CELOS Xは多種多様なアプリケーションを実装するソフトウェアだ。
ERGOline Xは24インチの大画面タッチパネル、HYBRID BAR、ハードウェアボタンの3つで構成されている。
大画面タッチパネル式の上パネルは、スマートフォンにも採用されている静電式タッチパネルを搭載することで従来より反応速度が向上しており、作業手袋を付けた状態でも操作可能だ。2本指を使って画面を拡大、縮小するピンチイン、ピンチアウトもできる。また、従来機比で横幅30%、奥行き40%縮小しながらも、画面の表示面積は9.7%拡大している。
HYBRID BARは、使用シーンに応じて必要な機能が自動で表示されるため、操作ミスを防ぐ。DMG森精機 CELOS/システム開発部 部長の清田純洋氏は「操作盤には刃物台を回したり、主軸を回したりするたくさんのボタンがあるが、実際にはシーンによって必要なボタンは異なる。HYBRID BARは必要な時に必要なボタンだけを表示する」と話す。
下パネルのハードウェアボタンは、防塵(じん)防水で耐久性に優れた構造で押しやすく、正確なプログラム入力が可能となっている。HYBRID BARはMAPPS(DMG森精機のNC装置)でのみ使用できる。
セットアップアシスタントではアニメーションや図のガイダンスに沿って情報を入力することで段取り作業時間を短縮。ワークの芯出し作業時間は従来機比で40%短くなるという。工具リストから工具を選び、自動運転ボタンを押すだけで、工具交換も可能となっている。
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