非固定設備で半導体洗浄装置の組み立てを効率化、AGVが部品配膳や完成品回収:スマートファクトリー
MujinはSCREENセミコンダクターソリューションズの彦根事業所の新建屋内における半導体洗浄装置組み立て工程において、AGVを用いてフリーロケーションでの配膳部品管理および組み立てセルへの部品配膳、完成品回収作業の自動化システムを導入した。
Mujinは2024年4月24日、SCREENホールディングスのグループ会社であるSCREENセミコンダクターソリューションズ(以下、SCREEN)の彦根事業所(滋賀県彦根市)の新建屋内における半導体洗浄装置組み立て工程において、AGV(無人搬送車)を用いてフリーロケーションでの配膳部品管理および組み立てセルへの部品配膳、完成品回収作業の自動化システムを導入したことを発表した。
彦根事業所では2023年1月に半導体製造装置の新工場として約100億円を投資した「S3-4(エスキューブ フォー)」が、2024年1月には約80億円をかけて建設した「S3-5(エスキューブ ファイブ)」が稼働している。
半導体洗浄装置組み立て工程では、半導体洗浄装置の需要変動に柔軟に対応するため、セル生産方式が採用されている。そこで、アセンブリ ピッキング支援システムをAGVと連携させ、作業進捗との連動を含むSCREEN独自の生産管理システムの構築を支援。従来、部品配膳に必要だった人員を削減し、部品の誤配膳や取り間違いをなくし、非固定設備であるAGVを用いたことで、変更にも対応可能なフレキシブルな組み立て工程構築に貢献した。
当初、SCREENでは新建屋で天井搬送など従来の手法を一新したコンセプトの基で、構内物流の自動化へAGVの採用を検討。Mujinでは構内物流自動化の需要拡大に対応可能な製品、部品の供給体制と専門チームによる仕様の提案によって、同社のこれまでの平均的な導入期間より短期間での導入を可能にしたという。
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