ソディックの環境配慮型形彫り放電加工機に新製品、熱変位補正機能を標準装備:工作機械
ソディックはリニアモータ駆動形彫り放電加工機「AL」シリーズをモデルチェンジした“環境配慮型”工作機械「ALプラス」シリーズにおいて、新たに「AL80G+」「AL100G+」を2024年5月から販売すると発表した。
ソディックは2024年4月10日、リニアモータ駆動形彫り放電加工機「AL」シリーズをモデルチェンジした“環境配慮型”工作機械「ALプラス」シリーズにおいて、新たに「AL80G+」「AL100G+」を同年5月から販売すると発表した。
ALプラスシリーズは、“環境配慮型”工作機械として部品の調達から製造工程、製品の性能を決定づける企画、設計に至るまで検討された製品群だ。同社のリニアモータ制御技術と放電制御技術およびAI(人工知能)機能を融合し、従来機比で消費電力量47%低減を達成した。既に「AL40G+」「AL60G+」が販売されている。
AL40G+、AL60G+に引き続き、大型放電加工機となるAL80G+、AL100G+でも、設置環境の温度変化やZ軸の高速ジャンプ時の熱影響、双方に対する変位を抑制する精密熱変位補正機能「TH COM」を標準搭載した。機械要所の温度をグラフで見える化した機能をNC装置のガジェットに搭載しており、長時間に及ぶ加工においてもより安定した精度が得られる。
価格はAL80G+が2850万円から、AL100Gが4250万円からとなっている(いずれも税別)。AL80Gは年間30台、AL100Gは年間8台の生産が目標だ。
ALプラスシリーズは自社開発、製造の高出力リニアモータを搭載しており、ボールねじを使用しない非接触駆動により経年変化を長期にわたり抑制する。高加速リニアモータ駆動によるZ軸ジャンプ制御を最適化し加工時間を短縮している。
稼働監視アプリ「LQ Message」を標準添付しており、ネットワークに接続した同社機の稼働状況をPC上で監視できる。また、メール、LINEやSlackでアラートを通知でき、ダウンタイムの削減に貢献する。
ALプラスシリーズは、通信規格「OPC UA」を標準搭載しており、ソディック製工作機械だけでなく他社製品を含めたIoT(モノのインターネット)システムとのネットワーク接続も可能だ。
形彫り放電加工における消費電力の約57%を占める、加工液循環などの加工液処理系に用いられる電力を削減するため、加工液の送液ポンプをインバータ化し、噴流有無に応じて最適にコントロールするエコ運転により、消費電力量を従来比約47%削減した(銅電極径10mmを用いSKD61のワークを加工深さ1mm加工、60Hz地域)。
AIにより常に最適な加工条件を提供する条件アドバイザー「LN Pro AI (LN Professional AI)」も標準装備している。内蔵された放電基礎データと加工条件データベース、それらの関係性から、加工形態や材質、面積、加工深さ、加工速度など必要な加工要素を満たす最適加工条件とNCプログラムを推論、出力する。
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