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コネクテッドカーと家電が連携、クルマの情報を家族も把握できるモビリティサービス

日産自動車とパナソニック オートモーティブシステムズ、パナソニック くらしアプライアンス社は自動車と家電のコネクテッドサービスを連携させた新サービスを開始する。

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 日産自動車とパナソニック オートモーティブシステムズ、パナソニック くらしアプライアンス社は2024年4月19日、自動車と家電のコネクテッドサービスを連携させた新サービスを開始すると発表した。同日16時から利用可能だ。日産自動車はコネクテッドサービスを充実させる目的でパナソニックが提案した「音声プッシュ通知」を採用することを決めた。

 パナソニックはテレビやロボット掃除機、LEDシーリングライト、ドアホンなどのIoT(モノのインターネット)家電を展開しており、その機能として音声プッシュ通知を2021年10月から提供している。家電の機能に関わる音声通知だけでなく、インターネットや専用アプリを通じて今日の天気や荷物の配達予定、ごみの日、外出や服薬の時間などの情報を読み上げることができる。

 この音声プッシュ通知に、日産自動車のコネクテッドサービス「NissanConnect」との連携が追加される。NissanConnectのスマートフォンアプリ向けの通知を音声プッシュ通知で読み上げたり、設定したエリアにクルマが入ったと知らせるゾーンアラート機能を利用したりすることができる。外出時間を設定しておくと、外出前にNissanConnectのスマートフォンアプリからカーエアコンをオンにするよう勧める機能もある。

 NissanConnectと音声プッシュ通知の連携サービスを利用するに当たって追加料金は発生しない。音声プッシュ通知に対応した家電が1台でもあればNissanConnectとの連携機能を利用できる。NissanConnectのユーザー数は17万人で、対応車種のうち加入率は50〜60%だという。パナソニックの音声プッシュ通知の利用者は2万人だが、認知が進んで利用者数が毎月数千人のペースで好調に伸びているという。


NissanConnectのサービス一覧[クリックで拡大] 出所:日産自動車

スマートスピーカーとの違いは?

 パナソニック くらしアプライアンス社が音声プッシュ通知とNissanConnectが連携するための機能拡張や基盤開発を、日産自動車は家電とNissanConnectの連携を、パナソニック オートモーティブシステムズが全体の戦略検討や事業推進を担当した。

 音声プッシュ通知とNissanConnectの連携により、EV(電気自動車)の充電の開始/終了を告げたり、クルマの不正な操作や始動を知らせたりすることもできる。これらのサービスは、2023年夏からの実証実験の中でモニターから好評だったものを選んだ。


サービスで対応している通知一覧[クリックで拡大] 出所:パナソニック

 音声プッシュ通知で読み上げられる通知はスマートフォン向けのNissanConnectのアプリでも確認できるが、他のアプリの通知に紛れる可能性があり、アプリを使う本人しか把握できないという側面もある。

 パナソニックの音声プッシュ通知は、洗濯の終了やご飯の炊き上がり、冷蔵庫の製氷機や加湿器の給水タンクの残量などを読み上げることで、家事への家族の参加を促したり、忘れがちなことを把握しやすくしたりする狙いがある。NissanConnectとの連携でも、アプリを使う人しか把握していなかったことを家族にも共有することができる。


音声プッシュ通知とは[クリックで拡大] 出所:パナソニック

 両社は、今後IoT家電とコネクテッドカーの両方が普及することを見込み、新サービスを開発した。今回のサービス連携を第1弾とし、第2弾、第3弾の機能についてもパナソニックと日産自動車で開発を進めている。クルマが家に近づくのに合わせて室内を快適な環境にしたり、買い物に行く途中で冷蔵庫の中で不足しているものを車内で勧めたりするなどのサービスが考えられるという。また、パナソニックとしては将来的にAPIをさまざまな領域に展開することも視野に開発している。両社のサービス連携にパートナーを増やしていき、エコシステムとして広げていくことも目指している。


IoT家電とコネクテッドカーが今後も普及する[クリックで拡大] 出所:パナソニック

 パナソニックは、スマートスピーカーが日本には根付いていないとみている。音声プッシュ通知は、人間が機械に話しかけるのではなく、機械が人間に話しかけるところに重点を置いている点が既存のスマートスピーカーとは異なる。音声プッシュ通知を使い始めたユーザーの90%以上が継続して使っているとし、これまでのIoTサービスと差別化が図れているとしている。

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