ステランティスがChatGPTを標準装備に、日本では4月中旬から利用可能:車載情報機器
ステランティス傘下のDSオートモビルはインフォテインメントシステムでOpenAIの「ChatGPT」を標準装備にする。
ステランティス傘下のDSオートモビルは2024年2月20日(現地時間)、インフォテインメントシステムでOpenAIの「ChatGPT」を標準装備にすると発表した。2023年10月から欧州の5カ国で試験導入した結果、音声認識機能の利用が50%以上増加したことから、日本と日本語を含む18カ国の13言語を対象に標準装備とする。
インフォテインメントシステムでのChatGPTは、SoundHoundのAI(人工知能)によるChatGPT APIを通じて、さまざまな通信サービス機能をまとめた「コネクトプラスパッケージ」の一部として提供される。同パッケージの利用期間は3年間。インフォテインメントシステム「DS IRISシステム」を搭載する「DS3」「DS4」「DS7」「DS9」の全モデルが対象で、2024年3月から出荷する製品に機能がインストールされる。日本導入は2024年4月中旬を予定している。
ChatGPTを利用したDS IRISシステムは音声入力されたさまざまな質問に回答する。質問の例として、ステランティスは「このエリアにはどんな観光スポットがありますか?」「10歳の息子と一緒にいて2時間滞在可能なのですが、この城では何をするのがおすすめですか? その場所まで案内してください」「この料理と一緒に何を飲むのがおすすめですか?」「この場所を舞台に、この人物を主人公にして物語を創作してください」などを挙げた。
2023年10月からの試験導入はフランス、ドイツ、イタリア、スペイン、英国で実施した。今後、他のステランティスブランドのモデルにもChatGPTが展開されるという。試験導入を含め、ChatGPTを車両に搭載するのは「自動車メーカーとしては初」(ステランティス)だとしている。
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