「超小型EVは装備が少ない」を打破、電装プラットフォームを提案:車載情報機器
矢崎総業は「人とくるまのテクノロジー展 2023 横浜」において、超小型EV向けの電装プラットフォームを提案した。
矢崎総業は「人とくるまのテクノロジー展 2023 横浜」(2023年5月24〜26日、パシフィコ横浜)において、超小型EV(電気自動車)向けの電装プラットフォームを提案した。
超小型EVは、設計や装備を従来の乗用車よりも簡易にして価格を抑えることが多い。そのため、装備が少ないことによる利便性の低さや防犯面のセキュリティの手薄さなどが、B2CとB2Bの両方で超小型EVのデメリットになりかねない。これを受けて、超小型EVを開発する自動車メーカーはシンプルかつ柔軟に機能を拡張できる電装プラットフォームを求めているという。
矢崎総業は、スマートボディーコントロールユニットと電源拡張ユニット、車載テレマティクスからなる電装プラットフォームを開発中だ。超小型EVを手掛ける自動車メーカーが新車にオプションとして設定したり、中古車として流通したときに機能を追加したりする形での採用を想定している。
スマートボディーコントロールユニットは、メーターとECU(電子制御ユニット)がユーザーのスマートフォンと連携する。これにより、メーターの一部や操作系のスイッチとしてスマートフォンを活用できる。スマートフォンアプリの追加によって機能性を高めることも可能だ。
電源拡張ユニットは、車内の照明やドアロック、ドライブレコーダー、アルコール検知、警報などの電装品を手軽に追加することを狙っている。超小型EVには、電源を分配したり保護したりする機能がない場合もある。電源拡張ユニットは、新しく装備を追加するときに電流値を自動的に計測し、それに合わせた保護特性のソフトウェアをダウンロードすることで、追加する電装品に対応する。
通常であれば電装品を追加するには内装を取り外すなど大掛かりな作業が発生するが、電源拡張ユニットを通じて簡単に電源を確保できる。電源拡張ユニットはデイジーチェーン接続が可能で、最大8機能の電装品の追加に対応する。スマートボディーコントロールユニットや、車載テレマティクスにも電源を供給し、CAN通信で接続する。
車載テレマティクスは、モバイル通信やWi-Fi、GPSなどを受信する統合アンテナとテレマティクスコントロールユニットからなる。自動車メーカーの他、超小型EVを使う配送事業者やシェアリング事業者のクラウドと連携し、情報を収集したりテレマティクスサービスを提供したりできる。
スマートボディーコントロールユニットでスマートフォンと連携することにより、スマートフォンの通信機能をテレマティクスに利用したり、スマートフォンに内蔵された音声認識機能やさまざまなセンサーを活用したりすることも可能になる。スマートフォンの音声入力を通じたエアコンの温度調整や、スマートフォンの照度センサーを利用したヘッドランプのオンオフなどが考えられるという。
また、カーシェアリングで超小型EVを使う際のユーザー認証や、配送事業者が輸送に必要な情報をスマートフォンで受け取ったり、スマートフォンをクルマの鍵代わりに使ったりすることもできる。
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