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パナソニックの電動アシスト自転車にエッジAI機能を提供:組み込み採用事例
STマイクロエレクトロニクスの「STM32F3」マイコンとエッジAI開発ツール「STM32Cube.AI」が、パナソニック サイクルテックの電動アシスト自転車「ティモ・A」に採用された。
STマイクロエレクトロニクスは2024年4月3日、パナソニック サイクルテックの電動アシスト自転車「ティモ・A」に、「STM32F3」マイコンとエッジAI(人工知能)開発ツール「STM32Cube.AI」が採用されたと発表した。
ティモ・Aは、モーターの回転数やスピードセンサーの情報からタイヤの空気圧を推定し、空気を入れるタイミングを液晶スイッチに表示するAI機能を備える。この機能により、空気圧のメンテナンスを簡略化して安全性が向上する他、タイヤなど自転車部品の寿命延長にも寄与する。また、空気圧センサーなどのハードウェアを追加する必要がないため、コストや設計工数の削減にもつながる。
STM32F3マイコンは、最大動作周波数72MHzのArm Cortex-M4をベースとする。128KBのFlashメモリや高性能のアナログおよびデジタルペリフェラルを搭載し、電動アシスト量やモーターの制御もしている。
STM32Cube.AIは、一般的なAIフレームワークによる学習済みニューラルネットワークモデルをSTM32マイコン用コードに変換、最適化して、限られた容量のフラッシュメモリに実装できるようにする。
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