中小製造業の2人に1人が「毎日FAX使う」、DXが進まない要因とは:製造マネジメントニュース
Chatworkは、「中小企業の経営課題とDX、SaaS、リスキリングの実施状況・意向調査」を実施し、このうち、物流、建設、製造の3業種の現状を分析した。
Chatworkは2024年4月3日、「中小企業の経営課題とDX、SaaS、リスキリングの実施状況・意向調査」の結果について、物流、建設、製造の3業種を分析した結果を発表した。
調査では、社外との連絡手段で、物流業、製造業のおよそ2人に1人が「毎日FAXを使う」と回答した。また、Web会議とビジネスチャットを「使用しない」のは建設業が最多であった。
従業員30人以下の企業では、7割が「紙や口頭で業務を行っている」と回答した。物流業では、企業規模が大きくなってもDX(デジタルトランスフォーメーション)対応に遅れがみられる。また、建設業と物流業では、2人に1人がDXを「聞いたことがない」と回答した。
建設業では、8割を超える回答者がSaaSを「聞いたことがない」と回答。SaaSの活用に関して、製造業では「既に導入し、活用している」が38.2%で、全体を4.6ポイント上回る結果となった。一方、物流業では、27.7%と全体を5.9ポイント下回った。導入しているSaaSツールは3業界とも「Web会議」が4〜5割とトップで、製造業ではビジネスチャットの導入率が35.0%と全体を4.7ポイント上回った。
デジタル化における課題では、物流、建設、製造業ともに「金銭面のコストが大きい」ことを挙げている。その他に、「時間やコストをかけて取り組んでも、効果を得られるイメージがわかない」や、「社内に詳しい人がいない、旗振り役がいない」などが挙がった。
調査は2023年10月に実施。従業員300人以下の中小企業の社長1055人とバックオフィス担当者1070人、計2125人の回答を得た。
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